18きっぷの旅2010冬・1日目・昼:白川郷に行ってきた

岐阜近辺から電車を使って行ける場所ということで白川郷というのは早くに決めたものの、現地で一泊するかバスツアーに参加するかの2択で検討を重ねた結果、天候や予算が決め手なって後者を選択。前者にしていたら、ほぼ飛び込みで宿が取れたかどうかは不明。平日なら泊まれそうな気がする。根拠はないけど〜本気で思ってるんだ〜♪
とまあ粉雪が降る中、高山駅から左手に徒歩30秒ほどの濃飛バスセンターで受け付けを済ませて出発。ガイドさんは話の達者な方で、五箇山白川郷に降る雪質の違い、夏にカメムシが大量発生すると冬に大雪が降る、さるぼぼは最近どこでも見かけるようになったけど高山こそオリジナルといった話が印象に残った。このさるぼぼのせいで、頭の中からサウスパークLet's Fighting Loveが離れなかったのはまた別のお話。
そんなこんなでバスは雪の高速を進む。この時点ではまだチェーンを付けなくても大丈夫だったみたい。
雪の高速

五箇山・菅沼合掌集落

最初の目的地に到着。駐車場に村落を一望できる場所があるらしいけど積雪で封鎖されていたので一路集落へ。高台になっている駐車場からエレベーターで降り、トンネルを抜けるとそこは雪国。
雪の小道

何が何やらさっぱりだと思うけど、雪の壁の間に細い通路があって、そこを進んで行った。雪質はバスの中で効いていた通り、ボタ雪というやつで、ちょっと払っただけじゃ取れず、傘やカバンや服にどんどん積もっていく。
道路反射鏡もこのとおり首元まで積雪。
雪の鏡

靴は登山靴。一歩一歩深く雪にめり込んでたのに最後まで浸水せずに耐えきってくれた。流石だ。
埋もれる

集落の中はこの通りで、見事に雪の中。生協のトラックが来ていて外界との物流は確保されいるようだった。とはいえ、こんな雪に閉ざされた中で生活をしているのは驚異の一言。
撮影

集落の方が除雪作業をしていた。地図によればこの先に道があったはずだけど完全に雪に閉ざされていて進めず。
除雪作業中

軒先の氷柱は凶器になるレベル。
氷柱

そしてご覧の通りの降雪。
五箇山風景02

歩いた側から足跡が消え、雪が傘を打つ音が雨音のそれのように賑やか。油断してると傘の下から風に舞った雪がカメラにも落ちてヒヤヒヤしたけど、マシントラブルはゼロ。α200に防塵防滴機構は無いはずなんだけど、本当に大した子だ。
バスの出発時間が迫っていたので後ろ髪をひかれつつ最後に一枚。
五箇山風景03

同じバスツアーのお客さん以外は2組ほどの一般客がいる程度で土産物屋の類もほとんど見えず、噂に聞く通り全く観光地化の進んでいない静かな集落だった。また行きたいとは思うけど、住めと言われたら覚悟を決めても無理そうだなぁというのが正直なところ。車のある時代でこれだから、それ以前を思うと気が遠くなる。人間すごい。

飛騨合掌ライン

今更だけどこれが今回乗ったバス。30分強停車している間にも屋根に雪が積もる。
バス

五箇山白川郷はそれぞれ富山と岐阜の県境にあって、それらをつなぐ道路には7つの橋があり、渡るたびに県境を越えるカーナビの忙しい場所らしい。ナニコレ珍百景にもとりあげられたんだとか。

天守閣展望台

バスは一旦道の駅に止まってチェーンを装着した後、山道を少し登って白川郷が一望できる高台へ。写真とかでよく見るあの景色が見られる場所だけど、はやる気持ちを抑えて昼ごはん。川魚や山菜や石割豆腐もさることながら、やはり朴葉味噌が美味かった。とはいえ、じっくり味わってる時間は無いので、快速で食べきってから展望台へ。
白川郷02

夏の間は田畑があるようなところが全て雪の下に。世界に白と黒しか無いかのような景色。
一旦食堂に戻って鞄の奥で寝ていた広角くんに無理を承知で起きてもらって再び展望台。

もう一度レンズを変えて出てくると、雪の勢いが増して視界が狭くなっていた。
白川郷04

ここでタイムアップ。いよいよ集落へ。

白川郷

集落から一番近い駐車場に来ると、さすがに観光バスや車の数が多かった。その駐車場からすぐの吊橋を渡った先が世界遺産に指定されているとのこと。思ったより揺れは少なかったけど、吊橋からの景色を楽しむような余裕は無し。ただ真っ直ぐ歩くのみ。
であい橋

橋を渡った先にはさらに鳥居。日常から隔絶した空気を醸す演出に飲まれる。
鳥居

世界遺産という看板が無くても十分素敵だけど、そのおかげで古くからの街並みが保存され、こうして訪れることも出来ているんだろうなぁと。
街並み

犬も大変だ。
雪犬

これだけ雪が乗っかってるのにビクともしないのは大したものだな本当。
合掌造り

なんて考えながら見てたらもの凄い音を立てて雪が滑り落ちてWOWと口が開きっぱなしに。巻き込まれたらひとたまりも無いね。
気温はマイナス数度といったところで、体の芯から冷えるほどではなかった*1。風がそれほど吹いてなかったのと、雪のおかげで湿気があったのが良かったのかもといったような話を後日友人に振ったところ、旅先だからテンションが上がってただけだろJKとにべも無い答え。否定は出来ない。
散策できる時間が少ないので迷ったけど、こちらの集落で最大級の合掌造りという和田家住宅訪問。
和田家

1階には四季折々の白川郷の写真や代々伝わる漆器などが展示され、2階にはかんじきやら防寒具やらといった冬の必需品の他に養蚕関係の古道具など往時の暮らしぶりを思わせる品々が。2階の窓が開きっ放しで寒かったけど、おかげで景色が見られて良かった。雪が吹き込んでくるような風が吹いていたら閉じてるのかな。それにしても、日常生活と隣接した場所を公開するってのはどういう心持がするものなんだろう。余計なお世話か。
再び外に出るとハクセキレイが。こんな雪の中でも相変わらず極力飛ばずに歩きまわっていた。しもやけとか大丈夫なんだろうか。
ハクセキレイ

雪を支えるというか埋もれる柿。雪の積もり方にもそれぞれの植物なりの個性があるらしい。
雪柿

ライトアップの準備に勤しむスタッフ。写真で見る限り、そして現地で見た景色に想像を重ねる限りとても幻想的な景色が見られそう。機会があればぜひ行ってみたいけど、宿の予約は半年前に埋まるような状況なんだとか。
STAFF

と、この辺りで出発時間が来てしまったので凍った雪の上で滑らない程度のスピードで帰還。
観光地化に対する懸念も散見されるけど、今もって十分に素晴らしい場所だったな。春か夏か秋か冬にまた訪ねてみたい。って全部やんというセルフ突っ込みはともかく、常に外部の視線にさらされるストレスってのも心配になったり。持ちつ持たれつなのか。世界遺産登録されて15年も経てば日常になってるのかな。

*1:ちなみに服装はシャツ+ヒートテック+フリース+ダウンで下はヒートテック+コールテンのズボン。言うまでも無く手袋と帽子は必須ですな。滑り止めもあると尚良し。