海上阻止行動に関する安保理決議に関するニュース

今さら自分が言うまでも無いのだけど、メモ。

【ニューヨーク=白川義和】国連安全保障理事会は19日午後(日本時間20日午前)、アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の任務を1年間延長し、日本の海上自衛隊がインド洋で参加する多国籍軍海上阻止行動への謝意を初めて明記した決議案を賛成14、棄権1(ロシア)で採択した。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070920i301.htm?from=main3

【ニューヨーク=石川保典】国連安全保障理事会は十九日、アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の任務を一年延長する決議案を賛成一四、棄権一の賛成多数で採択した。決議は前文で、米英や日本など多国籍軍海上阻止行動に参加する有志連合による「不朽の自由」作戦(OEF)参加国への「謝意」を初めて表したが、ロシアは海上阻止行動への言及を批判して棄権。全会一致にはならなかった。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007092002050312.html

とまあ読売新聞と東京新聞のニュースはこんな感じ。
一方朝日様から見ると、同じ事実でもこうなる。

テロ対策特別措置法に基づくインド洋での海上自衛隊の給油活動を継続するため、日米が目指した「国連決議によるお墨付き」は、ロシアの棄権という想定外の結果に終わった。

http://www.asahi.com/international/update/0920/TKY200709200161.html

一段落目だけ見ると、一見安保理決議が採択されなかったかのような印象を受けてしまう。まあ叙述トリックというほどでもないけど、それの入門編って感じがしなくもない。
後半の3段落はもっと面白い。

全会一致が崩れた原因が「これまでなかった海上阻止活動への言及」(同大使)にあるのは明らかだ。各国は「分裂は日本のせいだ」と見ている。賛成した中国の劉振民・国連次席大使も「全会一致を目指す努力を怠ってはいけない。これが前例とならないことを願う」とくぎを刺した。
 来月半ばまで任期が残っているISAFの任期延長を急いだのには、同じく安保理外のドイツの事情もある。独連邦議会は20日からISAFへの派兵延長を議論する予定で、安保理決議が必要だった。結果として、欧州勢が採決を強行した。
 チュルキン大使は採択後、記者団に「議論が尽くせなかった。全会一致にはもう1日必要だった」と強調した。ロシアの協力を取り付ける時間が与えられないまま、不完全な成果と日本への反感だけが残った

ドイツの事情*1にも触れながら、なぜか執拗に日本批判。朝日的に見て、日本と米国以外は無罪ってことか。この記事の唯一の欠点は署名が抜けてることで、同じ記者の次回作を読む楽しみがなくなってしまっていること。まあ記事のトーンを見れば大体どの人が書いたのか判断できそうだけども。

*1:読売はドイツに言及。東京はなし。各社の編集方針が伺える。