東日本フェリー

東日本フェリー(函館、古閑信二社長)が函館−青森、函館−大間、室蘭−青森の三航路のフェリー運航事業から十一月末までに撤退する方針を固めたことが四日、分かった。昨年九月と今年五月に相次いで就航した高速船「ナッチャンRera(レラ)」と「ナッチャンWorld(ワールド)」の二隻は十月中旬にも運航を休止し、売却かリースする方向。親会社のリベラホールディングス(リベラHD、広島県呉市)が近く決定する。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/115684.html

「ナッチャンRera」という妙な響きには記憶があったので驚いた。
んで、ちょっとWikipediaやら2chやらを覗いてみると中々がっかりな話が並んでた。

燃料高騰の影響で、函館、室蘭発着の三航路全体で本年度約六十億円の赤字が見込まれるため。函館−青森航路については、リベラHD傘下の道南自動車フェリー(函館)が、高速船ではない在来のフェリー二隻を引き継ぐ。函館−大間、室蘭−青森の二航路は、本年度それぞれ二億円、六億円の赤字が見込まれるため、地元自治体の支援が得られるなど赤字解消のめどが付けば、道南自動車フェリーが引き継ぐ方針。

燃料高騰が主因らしいけど、1バレル何ドルまでと踏んでたんだろうかね。
原油価格の推移(変遷)
さすがにサブプライム破綻後の伸び方は異常だけど、少なくとも上昇傾向ってことは分かってたように思うんだけどな。
そして、青函航路以外の2航路については地元自治体の支援を当てにしてるようだけど、既に散々お世話になってるらしい。ちょっと長めに引用。

東日本フェリーの室蘭航路撤退が明らかになったが、室蘭市は6月に岸壁使用料の減免拡大を決断したばかりだった。長年の支援に対し撤退という結論。市と船社の駆け引きは最悪のシナリオで終幕を迎えた。
 室蘭市フェリー埠頭公社は平成12年度から5000万円の岸壁使用料の減免を実施。大洗航路が撤退した14年度からは2億円に拡大。今年6月にはさらに1億円の増額を決めていた。
 半面、15年6月の旧東日本フェリー破たん後、室蘭航路の利用価値は縮小を続けていった。
 管財人団と支援企業リベラ(広島)は17年に全航路維持を盛り込んだ会社更生計画を短期間で終結すると、八戸航路、日本海航路を相次ぎ休止した。
 リベラはその都度、日本海航路の存続や高速船就航を示唆し、支援拡大を要請。市は物心両面で支援したが、念願の安定運航は1度も実現しなかった。
 船社側の対応に不満を募らせる市議会は「減免廃止を検討すべき」などの追及もあったが、新宮正志市長は「船社とのきずな」を強調、支援を続けた。
 ただ、市と船社の駆け引きは当初から市側に分が悪かったのも事実だ。物流機能の弱さ、公社運営による高額な岸壁使用料。市が言いなりにならざるを得なかった事情もある。
 市議の1人は船社の対応を批判しながら「これまでのやり方を見ていると、こうなる(撤退する)ことは予想できたはずだ」と行政の無策ぶりも指摘した。
(鞠子理人)

http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2008/09/05/20080905m_02.html

この状況を見ると青森−室蘭存続は望み薄なのかな。

経営立て直しの柱として昨年、今年と一隻九十億円の高速船を相次いで導入したが、投資効果に見合う集客が得られなかった。地元からは「観光や物流への影響が心配だ」(経済関係者)との懸念が出ている。

90億円はPR費込でもちょっと高すぎるような。その宣伝効果もちょっと疑問だし。
ゆにこん - Wikipedia
そもそも、上のリンク先のように会社更生法申請前の旧会社が高速船導入で2度失敗した歴史はどう評価してたんだろ。最初から船をよそに売るのが目的だったなんてこと言われても、結果が結果だけに仕方ないよな。