金曜ロードショー『ハウルの動く城』


最初に見た時は微妙だったけど、今日見たらとても素晴らしかったよ。
何といっても序盤の空中散歩のシーンに尽きる。ソフィーの心情とシンクロしたような音楽の使い方が絶妙で*1、兵隊にちょっかいをかけられハウルに助けてもらった所ではこの映画で繰り返し使われるモチーフが穏やかに流れ、荒れ地の魔女の手下に追いかけられる場面では一転して徐々に緊迫感が高まり、いよいよ追い詰められて空に舞い上がる場面でいったん崩壊。そしてソフィーがハウルに導かれて空を歩く場面で先ほど流れたモチーフがより印象的に登場。この一連の流れだけで1,800円払ってでも映画館で見たいなと思わせてくれる。
とまあ何のかんの言いつつも、千と千尋以降顕著なように何も考えないで見るのが正解であろうことは間違いないところ。マルクルの存在意義とか戦争の理由とかカブ=王子様の唐突さとか諸々の疑問が最初はひっかかったけど、心を空っぽにしてみると、何気ない背景の美しさとかキャラの心情とか色んなものがストレートに伝わってきて面白かった。
よく言われる*2有名人の起用もほぼ無問題。

「僕はもう十分逃げた。ようやく守らなければならないものができた。君だ」

この場面を見てもキムタクに文句言う人はちょっとひねくれ杉だと思う。
最初は気になった倍賞千恵子もお婆ちゃんの時が素晴らしいだけに若い時に若干違和感があるけど、まあ貶すほどのもんじゃなかったね。
流石にラストの怒涛のハッピーエンド展開は強引すぎると思わないでもなかったけど、サービス精神がちょっと溢れすぎちゃったのかなと好意的?に解釈。映画館で見ればまた違った感想が得られたんだろうなと思うと、ちょっと後悔。

*1:まあこれはこの場面に限らず映画を通して言えることだけど

*2:と言うか自分もよく言ってた