正月パスの旅

東京駅


5時半ごろに東京駅に到着。新幹線のホームは早朝だってのに結構な人でごった返していた。
正月パスを購入したのが1週間ほど前。指定席券を発券しようと思ったら東京から八戸は既に埋まっていたので、それならばと仙台から八戸までの指定席を予約して、そこまでは早めに着いて自由席を確保すればいいかと思ってたんだけど。東京駅についてびっくり。はやて・こまちは全席指定席で、自由席は無いのだった。スタートから躓いてどうしたもんかなと思ったけど、他にも結構デッキに座ってる人がいたので、適当な場所を確保していざスタート。

東京〜八戸

午前6時に東京駅を出発。辺りはまだ暗かったので、友人に借りたPSPDFFを軽くプレイ。するといつの間にか新幹線は大宮駅を越えていて、気づくと空が白み始めていた。こりゃPSPやってる場合じゃないぞとしまいこんで、カメラを構える。
筑波山

夜明け前

筑波山を横手に関東平野を北上しつつ段々と明けていく空を眺める。
そして宇都宮駅を過ぎてしばらくしてから太陽が稜線の向こうに顔を出した*1
初日の出01

福島の辺りでは雲の合間から顔を出す初日の出。
初日の出07

天気予報が芳しくなかったので、これ以上北は曇りかなと思ったけど、雪化粧されつつもおおむね晴れの地域が多かったのは嬉しい誤算だった。
盛岡駅では『はやて』と『こまち』の連結解除を見学。先端部が割れて結合部が現れるというのは初めて知った。初めて知ることだらけだ。
そして列車は東京から走ること3時間ほどで無事八戸到着。鈍行での旅を思い返すと、何というか新幹線の速さに圧倒される。

八戸〜青森

つがるの車窓02

八戸駅は何度か来たことがあるけど、近代的なフォルムの外見をもった新幹線のホームは来たことが無かったので新鮮というか鉄骨感がたまらない場所だった。普段は入れない場所を堪能した後、いかめしを買って特急「つがる」で青森へ*2
乗り換えでのんびりしてたら自由席に座り損ねたので、デッキに立っていかめしを頬張る。そして最初の停車駅・三沢駅で結構な人数が降りたのでゆっくり座って青森へ。その電車内で一応五能線の運行情報を確認したら遅延等の情報は無かったので、万が一の時に考えてたルートを捨てた。浅虫温泉や小湊の白鳥たちも捨てがたかったけどまた次の機会に。

青森〜五所川原

青森駅に停まるつがると青森ベイブリッジ

青森から五所川原までは電車だと大幅に時間をロスしてしまうので、バスに乗って五所川原へ。さっき調子にのっていかめしを一気食いしたせいか、年末の忘年会での無茶がたたってか腹が悲鳴を上げて、苦しい行程だったけど、何とか乗り切ることができた。それにしても五所川原へ向かう道中通り過ぎた山道の雪は凄かった。住めば都とはいうけど、自分には無理だろうな。

ストーブ列車

津軽五所川原駅

五所川原ではこの旅の目的だった津軽鉄道のストーブ列車に乗車。
とはいえ、一日で東京から青森に行って日本海を周って帰るルートを組むと、どうしても終点の津軽中里まで行けない制約があったので、途中の金木駅まで普通列車で行ってストーブ列車に乗って帰るという中途半端な行程になってしまった。二兎を追いかけるのもほどほどにしないとだな。
ストーブ列車&走れメロス号

せっかくストーブ列車に乗ったんだからと思ってストーブの眼の前に座ったら二基で車両全体を暖めるだけあって、ものすごく暑かったので早々に退散。シャツ一枚で乗ってる人もいたけど、それくらいが正解だったのかも。
客車の風景

ストーブを挟んで反対側に座ってた人たちが窓を開けてたんだけど、その窓から入ってくる風とストーブの熱気がいい塩梅に混ざって、車内に漂う木の匂いと相まって心地よい眠気を誘われた。しかし寝る間が勿体ないので景色を眺めたりガイドの方の話を聞いたりするうち、列車は元来た津軽五所川原駅へ。
除雪車

そこで目にしたのがこの除雪車ラピュタに出てきた装甲戦車を彷彿とさせる威容がたまらない。

五所川原鰺ヶ沢

木造駅

新幹線と同じくリゾートしらかみも始発からの指定を取り損ねて鰺ヶ沢からの券になっていたので、とりあえずそこまで普通列車で移動。五所川原から一駅、木造駅で降りて遮光器土偶に拝謁したかったけど、万が一後からやってくる「しらかみ」に乗れなかったらえらいことになるので、泣く泣く鰺ヶ沢まで直進。

鰺ヶ沢

ジーケッパもを来未

乗り換えの時間が1時間ほどあったので、海からの強風が吹きすさび、時折雨とも雪ともつかない水滴が舞う中を駅で買ったビニール傘片手にとぼとぼ歩く*3。荷物は駅のロッカーに預けることもなく、待合室に置きっぱなしにしてたけど大丈夫だった。
海岸に出るとヒッチコックも真っ青、天気予報はカモメ時々雨または雪ってぐらい空を舞い地に満ちていた。そして岸壁に打ちつける波の大きさにちょっと足がすくんだり。
鳥大杉

何か腹を満たしたかったけど、正月ということもあって当たり前と言えば当たり前なんだけど、海の駅をはじめ各商店は閉まっててちょっと切なかった。このあたりも正月に旅する時は要注意。
海岸から駅に戻る途中に見かけた神社で初詣。元旦の初詣は何年ぶりか忘れてしまった。しかしおみくじは引かなかったな。
そうしているうちに電車の時間が近くなってきたので駅に戻って休憩。待合室のテレビで天皇杯を眺めているとほどなくしてしらかみが入線してきたので乗車して鰺ヶ沢を後にした。
リゾートしらかみ入線@鰺ヶ沢駅

リゾートしらかみ

五能線の車窓02

五能線の車窓03

冬の日本海らしい景色を眺めながら海岸線沿いに南下。ここ何日かは五能線に運休情報が相次いでいたので、乗れるかどうか心配だったけど杞憂だった。
と思ったら追良瀬で高波情報が出て停車。車掌さんが車両にやってきて、かくかくしかじかで列車が進めないということを丁寧に説明してくれた*4。そしてその説明があった直後、10分ほどの停車を経て運行再開。
その高波が来ると危ないというポイントに差し掛かると、「以前ここで事故があったんですよ」とそのまま客車内にいた車掌さん。その話があった直後慰霊碑を通り過ぎ、車体に高波を少し浴びて、先ほどまで停まっていた理由を実感。無事故で済んで良かった。善哉。
その後は徐々に時間を回復しつつ秋田へ一直線。深浦を過ぎた辺りで、少し厚みを増した三日月とそれに寄り添う金星の姿が確認できた。そして列車は遅れがあったものの、無事秋田に到着。

秋田〜東京


秋田駅で駅弁を買いたいところだったけど、乗り換えの時間が少なかったので断念。秋田から仙台までは指定券が無かったのでデッキで座ったり立ったり。指定券がなくても、一応空いてる場所に座れるようなアナウンスもあったけど、何となくデッキで時間をつぶす。それにしても、秋田新幹線は在来線をそのまま走ってるようで不思議だった。
盛岡で朝とは逆に連結。そして指定席を取っていたはやて側に移動。もしかしたら空いてないかなと思ったけど、しっかり仙台までのお客さんが座っていたので、その近くの空いていた席に座らせてもらった。
仙台から指定席に座れたのは良かったけど、停車時間も短い上に時間が遅かったので当然ここでも駅弁は買えず。何となく疲れでPSPを始める気も起きず、音楽を聴きながら帰京。い旅が終わりに近づいたときに聞くPat Metheny Group「Last Train Home」の切なさは異常。というかPMGの音楽は旅に良く合うんだよなぁ。
そして、新幹線はその速さを遺憾なく発揮して仙台から2時間もかからず東京到着。これまた鈍行での旅を思い出してちょっと切なさを感じつつも、駅弁を買って帰宅。家で今日の旅を思い出しつつ駅弁を食べて寝た。

*1:考えてみれば大みそかはいつも夜更かしして昼に目覚めるというパターンが多かったので、記憶にある限りでは初めて見た初日の出なのかもしれない。

*2:。青森まで直通があればいいのにと思うけど、2010年度に開通するらしい。その後はいよいよ北海道新幹線

*3:以前テレビで「わさお」という犬がいるという話を見てたので、何となくうろ覚えのまま歩いてたけど、ついぞ彼がいる商店には巡り合えず大反省。リサーチはしっかりしとくべきだね。

*4:高波を検知する信号が反応して、監視カメラで目視してる人がゴーサインを出すまで進めないとかなんとか