『チェ 28歳の革命』

上映前、チェ・ゲバラに関する解説*1が流れて最近の映画館は親切だなとか思ったりしたんだけど、この映画を見るならキューバ革命と彼の人生に関する最低限の予備知識は必須。特に序盤は革命前夜のメキシコ、キューバでの戦闘、革命後のニューヨークと舞台が飛びまくるので、何も知らずに見ると置いてけぼりになりそう*2

1955年、貧しい人々を助けようと志す若き医師のチェ・ゲバラベニチオ・デル・トロ)は、放浪中のメキシコでフィデル・カストロデミアン・ビチル)と運命的な出会いを果たす。キューバの革命を画策するカストロに共感したチェ・ゲバラは、すぐにゲリラ戦の指揮を執るようになる。(シネマトゥデイ

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tydt/id331022/

アルゼンチン人の青年医師が一人の革命家として成長していく姿、時折挟まれる革命後の政治家としての姿が丹念に描かれ、ドキュメンタリーを見てるような錯覚に陥った。その中で随所に含蓄のある言葉が見られたけど、映画の肝は以下の言葉に集約される。

「真の革命家は偉大なる愛によって導かれる。
 人間への愛。正義への愛。真実への愛。
 愛のない真の革命家を想像することは不可能だ。」

愛とか革命とか言うとタッキーみたいだけど、それはともかく彼の行動の根底には愛があった。まあ言人間の行動の根底には何らかの愛があるものだけど、その愛がどこに向かうかで天使にも悪魔にもなる。彼の場合は圧政に虐げられた弱者への愛。裕福な家の出という負い目がどこかにあったのかもしれないけど、結果として表れた行動はどこまでも純粋だった…というのは続編で克明に描かれるのだろうね。次も楽しみだ。

カストロ

この映画の主役ではないんだけど、改めてほれなおした。モンカダ兵営襲撃後に投獄されて、恩赦で釈放された後にメキシコに逃れて、そこからたった82人の仲間でグランマ号に乗ってキューバに戻って2年と少しで革命成功。彼1人の力では無いけど、根底には彼の狂気*3にも似た熱意があったればこそなんだろうなと思う。最近死亡説が流れてるけど、まだまだ死んで欲しくない。

*1:窪田等のナレーションだから情熱大陸かと思った

*2:事実そういうレビューが散見される

*3:ゲバラが表現していた