18きっぷの旅:上田・野辺山

3日目。旅に出るとあっという間に過ぎる。

上田市

昨日行けなかった池波正太郎真田太平記館の開館まで市内をぶらぶらと時間潰し。
まずは昨日ど忘れしていた、上田わっしょいの開催場所になっている海野町通りへ。

どの店も開店準備という段階だったので、開いていたミスドへピットイン。調子に乗ってコーヒーをおかわりしたらちょっと腹が下った。油断大敵。
その後、月の入りの時間が近かったので、せっかくなら開けた場所で見ようと上田城址公園へ。ところが、予定の時刻を過ぎても一向に消える気配を見せず、雲が被るようになって断念。
以前明け方の月を見ていた時、ちょっと目を離したすきに消えたことがあって、段々薄くなっていくのかそれともフッと消えるのか確かめてやろうと思ってるんだけど、今回も空振りだった。
全く簡単にはいかないもんだなぁと思いながら歩くこと20分ほどにして目的地へ。

ISST館

順路通りに鑑賞。作品展示のコーナーでは執筆に使った道具類や発表された小説等に混じって絵も展示されているんだけど、それがまた上手で驚いた。ここで誰それ風のタッチで云々と語れる造詣が無いのが悔やまれる。
その後紙芝居風のコーナーをサクッと見た後、切り絵シアターで第一次上田合戦を鑑賞。真田親子3人で戦った最初で最後の戦いってのは言われるまで気づかなかったな。話の筋はあらかた知ってるんだけど、ナレーションとBGMの付いた切り絵で鑑賞するのは新鮮で面白かった。その他2篇の話があったけど、それを見ていたら列車に乗り遅れるので泣く泣く断念。機会があればまた行きたい。
ちなみに↓のページで切り絵劇に近いものは鑑賞できるのね。
http://museum.umic.ueda.nagano.jp/sanada/

小諸

しなの鉄道に載ってから軽井沢経由で帰っても面白いかな…と思ったけど、熟考した結果当初から考えていたルートで戻るため小諸で下車。
小諸駅前

駅前に「座れる立ち食いそば・うどん」という暖簾が目にとまってくぐってみたけど、残念ながら味はいまにいまさんぐらい。
駅に戻ると「男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日」の撮影が行われた時の写真が展示されているのに気づいた。関係の深い建物もあるみたい。尋ねるファンも多いのかな。
http://members.ctknet.ne.jp/jazz-ide/

小海線

来た時と逆のルートで小諸出発。佐久平は新幹線が止まるだけのことはあって、立派な駅舎が建っている。
佐久平駅

中込で小淵沢行きに乗り換え。
太田部龍岡城の間と思われる区間。まっすぐ伸びた線路の向こうに浅間山が見えて気持ち良い。
線路と浅間山

列車内の沿線案内によると龍岡城駅の付近には五稜郭があるらしい。
知る人ぞ知るって感じだけど調べれば行った人の記録が出てくるから凄いもんだね。
http://www.h2.dion.ne.jp/~kazuf/sao/paorep/usuda-tatsuoka.htm
上空から見ても星型見えるわけではないっぽいな。せっかくだから完成させて観光資源に…なるやならざるや。
龍岡城と臼田の間では、かの有名な(そして行きは完全に失念していた)臼田宇宙空間観測所のアンテナが見える。その大きさ直径64mは東洋一とのこと。
臼田のアンテナ

軽く20kmは離れてるのにはっきり視認できる大きさは異常。今回は無理だったけど、いずれ行ってみたい。
臼田を出て暫くするとアンテナが見えなくなったので、座席に着いてボーっと車窓鑑賞タイム。どこまでも緑が濃い山の中を進む。

野辺山の一つ手前の信濃川上駅はかの有名な川上犬の故郷。
http://www.vill.kawakami.nagano.jp/kawakamiken/index.html
子犬を駅長に任命したら人気が出るかも。まあさすがにそれはやり過ぎか。

野辺山

信濃川上を出ると平野部に。一気に視界が開けて面白い。
そして野辺山到着。したものの、駅を出てびっくり。
野辺山駅

工事中orz
まあ落ち込んでいても仕方ないので、駅前のレンタサイクルで野辺山天文台へGO。
駅からは所々に標識があるので、基本的に迷うことはないけど、途中の景色に見とれて中々前に進めなかった。
八ヶ岳

野辺山天文台

国立天文台 野辺山
駐車場に付いても何も見えないんだけど、入り口まで進むと10mアンテナの数々と45m電波望遠鏡が視界に入ってテンションがMAXに。受付を済ませてから敷地に入ると、アンテナを使って声を届ける実験を行っている様子だった。
謎のアンテナ

距離が近いせいか、大きな声で話したらそのまま届いてしまうような状況だった。
その実験を横目に、アンテナ直径10mのミリ波干渉計の前に。
野辺山天文台01

手前の人物と比較すると大きさが伝わるかな、と。据え置きではなく、移動用台車で最適な場所に移動出来るらしい。
こちらのアンテナ群は電波ヘリオグラフ。


84台のアンテナを使って「直径500mの電波望遠鏡に相当する解像力」を実現しているんだとか。
直径80cmと常識的な大きさなんだけど、これだけの数が集まると異様な迫力がある。
そしてそれらを差し置いて圧倒的な存在感を放つのかアンテナ直径45m・重量700トンの電波望遠鏡
野辺山天文台04

野辺山天文台05

いまいち大きさが伝わり難いとは思うけど、下の写真の左下に写ってる車と比較すると多少は伝わるかな、と。間近で見ると大き過ぎてその大きさが把握できないような大きさだった。
ちなみに、この施設が何をやってるのかということに関しての説明は、このページが分かりやすい。というかページをめくるのが面白い。
http://www.nro.nao.ac.jp/public/radioastronomy/learn/webbook/enjoy.html
天文台の敷地を出る段になって、海軍航空隊の碑があるのに気づいた。。。

南牧村農村情報文化交流館

天文台の見学を終えた後は、隣にある観光施設へ。最初はこちらが天文台の施設なのかと勘違いして入りそうになったのは秘密。
南牧村農村情報文化交流館

http://www.avis.ne.jp/~with/
ドーム型シアターとかめちゃくちゃ面白そうなんだけど、時間が無かったので断念。いやこれは見るべきだったなほんと。フライトシミュレーターもあったけど、そちらは修理中とのこと。

木製の猫ストラップを衝動買いして、ソフトクリームを衝動食いして施設の外に出た。

JR鉄道最高地点

この標識と電車を絡めた写真を撮りたいなと漠然と考えてたけど、天文台と観光施設で思ったより時間を食ったので、最高地点から多分2番目ぐらいの踏切で列車通過を見送った。

踏切が開いた後、線路沿いの真っ直ぐ伸びた道を清里方面へ進む。
コスモスの道

右手には田畑と八ヶ岳が見えて、道路わきにはコスモスが咲いていて本当に綺麗な道路。音楽を聴きつつ花に見とれて写真を撮ってたら、下り列車が通過して行った。。。
時刻表は熟読すべきだねまったく…と思いつつ件の場所に到着。
JR最高地点

現地に着いてみると線路わきで工事が行われていて、すぐに撮影ポイントを決められるような場所ではなかった。何にせよ下調べは重要やね*1
JR最高地点の標識の脇には小さな神社が。
鉄道神社

標高1,375mで「ひとみなこうふく」とか「ひとみなごうかく」とかの語呂合わせになってるらしい。
電車が通過するのを待つと、帰路に重大な支障をきたすので、キリの良い所で駅へ。
爺ちゃん婆ちゃんの集団が元気そうに歩いていた。
登山客と山

さっき間近で見てきた45mアンテナ。
野辺山のパラボラ

遠目に見て、家や人と比較するとさきほどより巨大に感じられる。
直接駅に戻らず、C56機関車に惹かれて駅前公園へ。
野辺山駅前公園

この公園にも予科練の碑があった。
観光地というイメージしかないけど、戦争に絡む歴史もあった場所なんだな。。。

小海線

清里駅近辺の開けた場所では進行方向左手の山々の向こうにひと際大きなシルエットが見えた。確証はないけど、十中八九富士山のはず。と思う。
小淵沢駅近くのカーブに差し掛かると、やはり電車を撮影してる方がいた。
小海線の夕景

逆光だけど、シルエットを撮影するのも面白いかなぁ…と思いつつ列車の落とす影を撮っていると間もなく小淵沢到着。

小淵沢甲府

小淵沢に着くと大分陽が傾いていた。
小淵沢駅の夕景

跨線橋からカメラだけ出してファインダーを覗かずに撮ったにしてはしっかり撮れてると思う。しっかり狙った時よりバッチリ撮れてると何か凹む。
間もなくやって来た甲府行きに乗車。日野春駅では列車通過待ち合わせでしばらく停車。
日野春駅の夕景

見事な夕焼けが広がっていて、カメラを持ってる人たちの撮影タイムに。間もなく列車が出発すると、茜から濃紺へ美しいグラデーションに彩られる空を眺める至福の一時。カメラを持ってない時はあまり気に留めなかったけど、夕暮れ時の空って本当に素晴らしいもんだね。
甲府駅に着くと茜色は稜線にほんの僅か残るばかりになっていた。
甲府駅の夕景

せっかくまたとない空が拝めたんだから、途中下車すべきだったなぁと今にして思う。甲府駅を出るとすっかり陽が暮れてしまったけど、塩山〜勝沼ぶどう郷では素晴らしい夜景を堪能できた。勝沼ぶどう郷駅で夜景が撮影できないかな…と最後尾でスタンバイしたけど、ドアが開いたら目の前には大きな木。まあそう都合よくは行かんわね。その後はうつらうつらする間に高尾着即新宿行乗換。そして家路に。
3日間動き回ってへとへとだったけど、H-IIBの初飛行はしっかり見届けた。種子島も久しく行ってないからまた行きたいなぁ…とおよそ旅の後らしからぬことを考えながらおやすみ

*1:どうでもいい余談。近くの売店でおやきを頼んだら、冷えてるから暖めるよと温かい言葉。食べてみると外はアツアツ、中は冷たかった。電子レンジって難しい。