はやぶさ・富士の旅・1日目

日曜日だったけど、この日も仕事だったので、会社が終わってから新橋駅までダッシュ。山手線に乗って東京駅へ着いてからも階段を駆け降り一目散に10番ホームへ。
富士テール

ホームには既にはやぶさ・富士が入線していて、鉄道ファンが熱心にシャッターを切っていた。
自分もとりあえずB寝台上段の座席に荷物を置いた後、彼らの中に混じって撮影。
食べるものが無いとまずいので、目星を付けといたはやぶさ・富士の記念弁当を購入するため売り場が並んでる辺りまで駆けたけど、肝心の弁当が見当たらなかったので、とりあえず穴子寿司を買って座席に戻る。ほどなくして客車の戸が閉じられ、汽笛が鳴らされ、18時間の旅へと出発した。
開放

B寝台は1つのコンパートメントに4つの寝台。自分は写真左上の上段だった。真下は一人旅の少年。右側はあまり鉄道に似つかわしくないカップルだった。
接続部

電車が動き出してからはカメラと財布を持って車内探索。はやぶさと富士の接続部はヘッドマークが並ぶ撮影ポイント。
すれ違う

最後尾まで行くと、普段首都圏で乗ってる列車では中々見られない視点で後方に流れる車窓が見られる。
サンドウィッチ&うな重

座席に戻る途中に車内販売で今夜と明朝の弁当を購入。現れては後ろへと流れていく街の明かりを眺めながら食べるうなぎ弁当の味は格別だった。その後ビールを購入して飲んだけど、やはり美味。客車の揺れや匂いや諸々を感じながら五感で味わった。
ようやく寝台列車の雰囲気に慣れたところで自分の下に席を取っていた少年と会話。5日間ほどの旅の間、夜行列車を乗り継いで宿には泊まらず風呂は温泉で済ませたそうな。自分より一回りほど下だったけど、鉄道にかけて自分には及びもつかないほどのプロだった。
そんな少年と名古屋で別れてからは再び車内散策。就寝時間を迎え照明が落とされた車内で、窓の外をじっと眺める年配の方の姿を見ると、この列車が積み重ねてきた歴史とそこに寄せられる想いの強さを感じずには居られなかった。
そして寝台に戻り、上段ならではの低い天井を見上げながら音楽を聴きつつボーっと考えを巡らせる贅沢な時間。思えば、昔住んでた場所へ進むというのは、何となく過去へ赴く旅にも似て。寝台列車を夢見て乗れなかった幼い日の自分に語りかけつつ、眠りに就いた。