はやぶさ・富士の旅・3日目

6時過ぎに起床。
今日のとりあえずの目的は肥薩線の旅。ということでまずは熊本から八代に向かう。
朝焼け

駅前が朝焼けの光に染まって幸先のよさを感じた。
朝もやの太陽

ところが電車に乗って川を一つ渡ると急速に辺りに靄が立ち込め太陽が隠れてしまう。
熊本の車窓

電車の窓ガラス越しに眺める、地に立ち込める靄と朝陽の強い光に包まれる農村の風景は、古い映画の一幕のようだった。思えば去年四国を旅した時も似たような光景を目にしたっけね。あの時は今回ほど天気の変わり方が激しくなかったけど。

肥薩線の旅:八代〜人吉

いさぶろう・しんぺい号

八代駅で乗り換え肥薩線に。人吉までの区間はほぼ球磨川に沿って深い山間を進んで行く。去年京都に行った時に乗った嵯峨野トロッコ列車を思い出す風光明媚な路線だった。
雲?花粉?

八代を出てしばらくすると山から煙のような何かが立ち込めてたんだけど、どうも通常の雲とは様子が異なっていて、これはテレビでよく見る杉花粉が飛び散ってる光景なんだろうか。。。と考えた途端、鼻がむず痒くなった。そんな花粉の後は暫く晴れていて峡谷の景色が鮮やかだったけど、再び雲が立ち込めてきた。
人吉駅

人吉駅に着くと完全に曇り。乗り換えの時間が結構あったので駅前に出て人吉温泉の手ぬぐいなど土産を少々購入。その後構内に戻ってくま川鉄道のホームに。記念切符を買おうと駅員さんに話かけたらそのまま雑談。列車運行に際して使用している機材を色々見せてもらったんだけど、どれもこれも年代物の一品という風情が漂っていた。

肥薩線の旅:人吉〜吉松

二つのスイッチバックループ線日本三大車窓などが楽しめる二つとない路線なんだけど。
大畑駅ホーム

最初の停車駅・大畑駅はリアル五里霧中。その後もしばらくの間雲の中を進んでるようで、見晴らしの良い場所で停車してくれたりしたけど景色は見えず、客車の前方に取り付けられたビデオで見られるはずの景色を見せてくれるありさまだった。
しかしその後急速に天候が回復。次の矢岳駅に着くころには青空が広がっていた。山の天気は気まぐれだ。
肥薩線の車窓

そして日本三大車窓の絶景ポイントに。残念ながら遠くの方は霞んでしまっていたけど、それでもなお溜息が洩れてしまうような景色だった。
列車はその後真幸駅*1スイッチバックを行った後、終点の吉松駅へ。本来ならここから都城へ向かう普通列車に乗り継ぐはずだったけど、勢いではやとの風号に飛び乗ってしまった。
はやとの風

はやとの風:吉松〜鹿児島中央

嘉例川駅

目玉は何と言っても築100年を越える嘉例川駅*2。一昨年ぐらいに訪ねた時にいた名誉駅長の方がいたんだけど、今年はいなくてちょっと心配だった*3
その後列車は隼人駅を経て鹿児島中央へ。その後の旅程を考えれば降りても良かったけど、どうせなら桜島を見なきゃってことで終点まで。
車窓に桜島

このとき事件が。久しぶりに拝む桜島の雄姿に興奮して窓を開閉しながら写真を撮ってたら、親指の爪を開閉する部位に引っ掛けてしばし悶絶。それはともかく、後になってこの日噴火してたということを知ったんだけど、噴煙らしきものは見えなかった。
そして列車が鹿児島中央駅に到着。種子島屋久島への強烈な引力を感じたけど、冷静に考えて準備が出来てないのに行くべきじゃなかろうということで断念して駅周辺をふらっと歩きつつ乗り換え待ち。なんぞ観光情報は無いものかとポスターを見て回ってたら、肥薩おれんじ鉄道が沿線の人に乗車を呼び掛けるポスターが目に止まった。去年三陸鉄道に乗った時も同じ呼びかけを目にした。こういうのを見るにつけ如何ともしがたい地方の衰退を感じてしまう。全ての駅に猫の駅長を招くしかないんだろうか。ってのはさておいて、新幹線も結構だけど、こういう路線も手厚く保護して欲しい。

日豊本線の旅:鹿児島〜大分

まずは各駅停車で都城まで。

この路線は1年半ほど前にも通ったことがあって国分駅鹿児島中央駅の間にある廃駅のような建物の素性が気になってたんだけど、どうやら南霧島信号場という場所らしい。かなり山深い所にあるはずなんだけど、ググッてみると訪れてる人の日記が見つかって驚く。
都城から宮崎まで。そして宮崎から佐伯までは2本の特急を乗り継いでワープ。
それでも遠回りしたせいか、宮崎を出る頃には大分陽が傾いてきていた。
宮崎の夕景

18きっぷの無駄遣いのような行程になってしまったけど、延岡〜佐伯間の普通列車が日に3往復だけという車社会の象徴のようなダイヤになってるので、どのみち特急利用は避けえなかったかなというところ。
月の出

その延岡〜佐伯間を進む頃には刻々と日が暮れてきて、東の方に昇ってくる月がとても綺麗だった。昇りたての月が放つ光は南中時の白い光と違って柔らかさを感じる。
そして佐伯から大分までは再び普通列車。車窓はすっかり暗くなってしまったけど、対向列車の時間待ちなどで停車時間が取られる度にホームに降りてその列車や月を撮影していたら寝る間もなく大分に着いた。

大分

改札を通るとさよなら富士号の特設売り場が設置されていて、廃止が迫っていることがここでも感じられた。
その売り場を横目にとりあえず構内を回って適当に目星を付けた小料理屋に。名物らしいとり天定食を食べていると隣で飲んでいたおじさん2人組に話しかけられてしばし雑談。子どもが都会で就職してしまうとか何とかそんな話をしてた記憶が。そんなこんなで閉店時間になったので彼らと別れて駅の外に。ホテルに泊まりたかったけど、特急ワープで大分財布が軽くなってしまっていたので駅前のネットカフェに。ホテルに比べると色々と不便だけど、それでもネットが通じてるだけで居心地の良さを感じてしまう辺りがちょっと悲しかった。軽くシャワーを浴びた後、VIVA CALCIOをさくっと読んでから就寝。昔ちらっと読んだことがあっただけなので、今見たらあまりのフリーダムさ加減に笑ってしまった。

*1:近所の人たちが出迎えてくれて素晴らしい雰囲気の駅でしたよ。

*2:お隣の大隅横川駅も負けず劣らず古い駅なのだけど、そちらには停車時間を取ってくれないのが残念。

*3:調べてみるとご健在のようで何より。