はやぶさ・富士の旅・4日目

6時過ぎに起床。
まずはサイバーステーションで富士の空席をチェック。2日前ということもあって最終日はまだ×表示だったけど、当日と翌日は空席あり。天気予報を調べると12日の朝は晴れ。ここまで来たら何の躊躇もなかった。大分駅みどりの窓口に行って東京行きの富士乗車券購入。

別府地獄巡り

そのまま大分に留まっていても仕方ないので別府に移動。別府別府別府と3回繰り返す到着アナウンスが特徴的で面白かった。
別府駅

当初の目的地は九重夢吊橋だったけど、交通手段が思いのほか限られいたので地獄巡りにチェンジ。待ち時間が長かったので街中をぶらぶら歩いたけど、平日の朝だからか町に活気がなくて心配になるくらいだった。昔来た時は栄えてたよな。。。と思いつつ駅に戻って名物とり天をぺロリ平らげる。朝から唐揚げは無理だけどとり天ならいける。
そして時間になったので、駅前から出ている亀の井バスの定期観光バスに乗車。
別府地獄めぐり公式サイト(別府地獄組合)
亀の井バスホームページ
乗客は2,30人はいただろうか。バスガイドさんはベテランの方で安定感たっぷり。
別府温泉に関するうんちくや、別府駅前に銅像が建立されている油屋熊八翁に関する逸話や、ラクテンチの経営危機の話題などを聞く間に市街地を抜けて山間の温泉地に。
と言いつつ昨晩はあまり寝てなかったので、時折船を漕ぎそうになってしまってたんだけど、自衛隊の装甲車の車列とすれ違った時は驚いて眼が覚めた。近くに駐屯地があるらしい。休暇は温泉通いだろうか。
そしてバスから降りて地獄散策。
かまど地獄

海地獄*1鬼石坊主地獄*2→山地獄*3→かまど地獄*4→鬼山地獄*5→白池地獄*6と廻ったあと、バスで移動。途中別府の町が一望できる景色が子どものころに訪れた時に見た景色と同じで郷愁にかられた。それを抜きにしても良い眺めだったけど、バスはさくさく進んで竜巻地獄*7血の池地獄*8鑑賞。
一通り巡り終えるとバスは元来た別府駅へ。戻る道すがら、ガイドさんが朗々と歌い上げるような七五調の観光案内を披露して拍手喝采

温泉

ここまで来たからにはどこか行かねばということで別府駅から徒歩1,2分の駅前高等温泉に。
駅前高等温泉

立派な銭湯のような趣だったけど温泉らしい。平日の正午過ぎということもあって、一人でのびのび浸かることができた。そしてしばし休憩したところで大分駅に逆戻り。

大分散歩

富士入線まで大分時間があったので、とりあえず駅からあまり離れすぎない程度に散歩。アーケードを歩いていると大きな帆船が目を引く。
大分市のアーケード

日本・ポルトガル友好450周年を記念して造られたらしい。そういえば大友宗麟とかいたよなぁ…と、歴史の授業よりむしろ信長の野望で得た知識を思い出す。
商店街を抜けた後は大分城址公園へ。堀に大型の鳥がいて、ツルの一種かと思ったけどアオサギだった。
鳥と男性

公園というよりは文化会館と駐車場がメインのような場所だったけど、その他トンビやツグミメジロや様々な鳥を見ることが出来た。
その後遊歩公園を通って再び大分駅に。富士の出発まで間もないということもあってか、改札前の特設売り場は大賑わい。そのすぐ近くには様々な年代・季節の富士の写真が展示されていて、そこに寄せられた想いの強さが改めて感じられた。

富士の旅

富士:大分駅入線

最後から数えて3番目の富士がいよいよ入線。到着ホームはいつの間にか人であふれかえっていた。対岸のホームから撮影していたので、急いで富士の待つホームに帰還。そこでもテールマークなどを撮影し、いそいそと乗りこむと、間もなく列車は出発。自分にとって、おそらく最後となるであろう約18時間の旅路。ホームにも見送りの人が大勢いたけど、駅の外にも手を振る人やカメラに収める人が多くみられた。
席はというと、今度は下段。同じコンパートメントには山口から来た男性が一人で上段は空席。東京へ向かう道すがら、その方とは取りとめもなく話をしていた。下関から乗ることもできたけど、やはり始点から乗りたいということで今朝山口を出て大分に来たとのこと。途中、杵築辺りで多くの人が撮影をするために待ち構えていたという話を聞いて、そのポイントに差し掛かると予想を越える人だかりができていた。
撮影隊

そして田んぼの真ん中にも手を振る人たちの姿が。
無題

思い思いの形で別れを惜しむ人々の姿を見るにつけ、胸が熱くなって何も言葉が出てこない。改めて50年という時の重みを感じる。
列車は平野部の畑の中を進み、ソニックとの待ち合わせのためにしばらく中津駅に停車。その後九州の尾根を左手に見ながら北上。市街地に入る頃には日も暮れ、雲の向こうに月が見えていた。
隣のコンパートメントには老齢の男性がいて、家の前がすぐ駅で、いつも富士を見ていたという話を聞かせて頂いた。その方は門司で一旦降りて、普通列車で下関に先回りして機関車との接続を見届けてから再び乗車する裏技を実践していた*9
はやぶさ・富士:開通

門司で熊本から来たはやぶさと接続。二つの列車が繋がってドアが開かれる様は長年掘り進めたトンネルがついに開通したかのようだった。
Battle of Shimonoseki

下関では東京までけん引してもらう機関車に接続のため停車。それを見守る人や弁当屋に駆けこんで駅弁やうどん・そばなどを買い込む人で、ホームは時ならぬ喧騒に包まれる。
自分もそうしたなかの一人。最後の一つだけ残っていた弁当を購入し、慌てて富士に駆け込むと落ち着く間もなく出発。座席に戻って弁当を平らげた後は夜景を眺めるのもそこそこに、明朝に備えて我が家のそれのように不思議となじんでしまう寝床に就いた。

*1:コバルトブルーの温泉が綺麗。

*2:ドラえもんの大長編3巻に出てきたオロロン岩のように音が噴き出るポイントが目玉。

*3:温泉熱を利用して動物の飼育

*4:鬼とタヌキのオブジェが可愛い。

*5:ワニ!

*6:ピラルク!!

*7:間欠泉は見もの。3〜40分という間隔で噴き出すのは世界的にも稀なんだそうな。

*8:真っ赤!他の観光客に記念撮影を頼まれたのはいいんだけど、閲覧モードになってたらしくちょっとHな画像が液晶に現れててあちゃまーな感じだった。

*9:その後列車の中で話をしたある人は、新幹線を使いながら何度も先回りを繰り返した人がいて驚かされることしきりだった。