18きっぷの旅:御開帳・神代桜

昨日距離を稼いだおかげで余裕を持って起床。ホテルで朝飯を頂くのも久しぶりだな。

篠ノ井線:松本→長野

松本を出て暫くは犀川沿いに北上。そして川から離れるとトンネルを抜けて山間部に。
いつものようにボーっと外の景色を眺めてたら、姨捨駅近くで急に視界が開けてその景色の素晴らしさに絶句。
篠ノ井線の車窓01

後から調べたら日本三大車窓の一つのようだけど、それも納得の絶景。山に囲まれた平野の中を千曲川が蛇行し、その周囲を田畑や人家が彩る。この日は残念ながら遠くが霞んでしまっていたので、また行ってみたい。

善光寺参り

長野で下車し、バスに乗って善光寺へ。
善光寺:山門へ

牛にひかれて善光寺参り

この日から公開ということもあってか予想にたがわぬ人出。むしろ早朝ということもあってか、まだ少ないぐらいだったかも。「カバンやポケットの見える所に財布を入れてる方はすられると思ってください」という係りの人の注意が面白かった。
回向柱

2,30分並んで回向柱にタッチ。元々の性質か、皆が触ってるおかげか、すべすべして気持ち良い。

前立本尊様の右の御手に結ばれた金糸が善の綱となって結ばれ、柱に触れる人々にみ仏のお慈悲を伝えてくれます

http://www.gokaicho.com/gokaicho/

らしいけど、あれだけ触る人がいたら仏さんも大変だわね。
次いで内陣めぐり。中々進まない行列に並ぶのも一つの精神修養みたいなものなんだろうか。と思いつつ周囲を見やると天井の方仏さんの浮き彫り?*1が目に留まる。中には首が無い像もあったけど、意図してのことなんだろうか。そうやって待ちながら進むこと1時間近く、「前立本尊」の正面に来て拝んだ時は何か有り難いような気がした。
外の空気を吸って暫く落ち着いた後は戒壇めぐり。本来なら一人一人、もしくは一団体ごとに入るべきなんだろうけど、そんなことしてたらアッと言う間に陽が暮れるから行列にならんでするする進む。すると前の方から「右手に何か当たってるよ」とか聞こえてあれまぁ…という感じに。

市内

一通りお参りを終えた後は長野駅前に。長野パルセイロのサポーターたちが配ってるビラを見ると、ノグチピントがいて「おおっ」と唸る。かつて福岡にいた選手をこんな形で見かけようとは。そして腹ごしらえ。適当に入ったそばやに小沢征爾のサインが飾ってあって「おおっ」と唸る。残念ながら味の方はあまり唸れなかった。

長野→塩尻上諏訪小淵沢日野春

長野で随分ゆっくりしてしまったので、特急ワープを2度利用して次の目的地へ。

再び絶景ポイントを通過。朝の時より遠くが見えたけど、パノラマように何枚か撮ったつもりが結局2枚しか繋げないという大失態。次はしっかりせんとなぁ。と落ち込みつつも特急のシートに身を沈めて塩尻までの短い旅程を楽しむ。
塩尻では乗り換え待ちの時間がしばらくあったので、駅の外に出てみると、いかにもといった風情で何とも寂しさを禁じ得ない風景が広がっている。もっと上手いことバランスが取れないもんだろうかね。
何て考えつつ、やってきた各駅停車に乗りこんで上諏訪駅まで短い移動。上諏訪到着前には諏訪湖が見えるポイントがあるのだけど、ほんの一瞬で建物に隠れてしまうのが勿体ない。高架化…なんて今さら無理よね。
上諏訪から小淵沢までは再び特急。もはや18きっぷと関係無くなってるような気がしなくもないけど、それはおいといて南アルプス八ヶ岳連峰の間ならではの車窓を楽しむ。
小淵沢でまた乗り換え待ち。臨時列車も何本か出てて、登山客とおぼしき人たちでホームが賑わってた。そんな中小海線のホームだけはひっそりしてた。野辺山もあるし次の機会に行かねば。
そして日野春まで各駅停車で移動。

神代桜

日野春駅から桜のある実相寺までタクシーで移動。本来なら歩いて行くつもりだったけど、歩いてる間に陽が暮れること請け合いだったので泣く泣く散財。
実相寺

とはいえ、立派に咲き誇る桜達を見たら、そんな一瞬の悲嘆もどこへやら。喜びに早変わり。
南アルプスと桜

南アルプスの尾根と桜と菜の花と。That's really all it takes.
神代桜03

敷地の外から見た神代桜。真中の幹は途中で折れて、残った枝も添え木に支えられて痛々しい姿ではあるんだけど、それでも桜を咲かせる生命力にありったけの賛辞を贈りたい。

韮崎へ

桜を見てるとあっという間に日が暮れ出したのでお寺から撤収。店をたたむ準備をしてた屋台で買った団子を頬張りつつ、さてどうしたもんかなと思ってると折よく韮崎まで向かうバスが来たので、それに乗車。車内から見る、茜に彩られる山際の色合いが何とも素晴らしかった。ビルが多く視界のせまい場所に住んでるからなおさらそう感じるのかも。
わに塚の桜

韮崎に向かう途中で目にした「わに塚の桜」はあまり名前を目にしないのが不思議なほど立派な一本桜だった。
韮崎到着直前に車掌さんがアナウンス。「レディス4」という番組で神代桜が紹介されたらしい。旅番組って旬の時期の収録しても放映されるころにはそれを過ぎてたりするわけで、中々難しいよな。

韮崎→甲府→大月→新宿

韮崎は特急も停車するけど、当然それをスルーして各駅停車を乗り継ぐ旅。
甲府駅を出てしばらくすると桃の花のライトアップがあって、ピンクのスクリーンみたいに撮影できないかなとチャレンジしてみたものの、上下動もあるし、中々上手くいくものじゃありませんな。
それはそれとして、勝沼ぶどう郷駅からの夜景。通過するたびに思うんだけど、名前と反比例して景色が素晴らしい。
勝沼ぶどう郷駅からの夜景

という感想を抱くには微妙って言葉すら足りないけど、移動しながらの割にはまあまあだなと自己満足。
気流が安定してる時期の晴れた日にもう一回撮りに行きたい。
そこを過ぎる頃には陽が落ちたのと疲れもあって、うつらうつらとしつつも乗り換えは間違えず、荷物も忘れることなく帰京。充実の一泊二日だった。

*1:来迎二十五菩薩・百観音