奄美・沖縄の旅(5)沖縄本島バスツアー・南

18きっぷで旅する時は同じホテルに2晩続けて泊まるということがまずないので目覚めが新鮮だった。
ホテルの朝

今日は朝食もそこそこに南部をめぐるバスツアーへ。本当は路線バスで適当に周るつもりだったけど、日食仲間に炎天下でそれはきついと諭されたので方針転換。
ホテルを出ると、昨日声をかけてくれたタクシーの運ちゃんが今日もいた。南部めぐりするなら1万でいいよと提案してくれたけど、手持ちが無かったので断念。次の機会があればお世話になりたいと思いつつ晴れ渡る空の下をターミナルへ徒歩移動。
朝

日食仲間と合流して那覇バスのツアーに参加。
ようこそ那覇バスへ - 貸切バス/定期観光バス

首里城

最初はスルーしようかと思ってたけど、やはり定番として押さえておきたい場所。
正殿

しかし正殿は工事中orz
去年出雲に行った時も遷移の真っ最中。名所と呼ばれる場所に行くと工事中な事が多々ある。
それはともかく、昔見た紫禁城を思いだす外観。内部の色彩を見るとより強く大陸の影響を感じる。
玉座

何て事を考えてたら実際に影響もろかぶりだったらしい。

旧海軍司令部壕

この地で亡くなった人に一礼。
慰霊碑

地下深くに掘られた壕を見学。
地下通路

一言で言って正気の沙汰じゃないな、と。
こんなものを作ってまで戦争に勝てる…と思ってたかどうかしらないけど、継続した連中の頭を引っ叩いてやりたくなるような所業。
榴弾で自決した時に穿たれた弾痕。
弾痕

まったくもって狂ってる。

ひめゆりの塔〜昼食〜資料館

入り口で買ったお花を献花。
慰霊碑

参拝を済ませた後、近くのみやげ物売り場で昼食。
同じテーブルの人と話をしてみると、その中の一人がトカラ列島悪石島から還って来たとのことだった。吹っ切れたような、まだ疲れが抜けてないような微妙な表情で、暴風雨の最中でも空が暗くなる様子は確認できたという貴重な体験談を語ってくれた。さらに別の一人が、福岡から沖縄に飛ぶ飛行機の中から皆既日食をバッチリ見た同僚がいるという話を聞かせてくれて、そりゃ凄いですねと相槌を打ちつつ心中穏やかならぬものが。そんなこんなで昼食を摂り終えた後、資料館へ。
一人一人顔写真と名前の下にどういう状況で亡くなったまたは不明と記されているのを見ると、頭がクラクラした。戦争やらテロやらで何人死んだと聞いてもピンとこないけど、一人一人こういう背景があると考えると何とも遣る瀬無い。普段は考えないようにするしかないのか。徹底的に考え抜くべきなのか。

平和祈念資料館

気の遠くなるような名前の羅列に溜息。
碑

平和の火

綺麗な海岸だけど、ここも大勢の人が亡くなった場所らしい。
崖

美しい景色を見た目のままに楽しめないってのはやれやれだ。
まあ考えてみれば、たいていの場所がそうなってしまうのかもしれないけど。

おきなわワールド

沖縄の魅力のすべてが一堂にそろう沖縄屈指の観光スポット、おきなわワールド
急に空気が変わって普通の観光地。
お兄さんの顔がもの凄く楽しそうなハブのショーが見たかったけど、時間が合わず。
ハブのショー

沖縄最大の鍾乳洞「玉泉洞」へ。
うだるような暑さの地表から一転して冷えた空気が気持ち良い。
玉泉洞入り口

この地の鍾乳石は3年で1mm伸びるらしい。
鍾乳

今まさに雫がこぼれおちる柱に触ってから、何年分の努力を文字通り水泡に帰してしまったのだろうと、ちょっと申し訳ない気分。
青いライトアップで「青の泉」なんて場所もあったけど、普通の照明で問題ないような。
青の泉

地下を流れる水路というか小川のような水流を見ると、魚やエビがいて驚いた。地上と繋がってるのか。ここだけで生態系ができてるのか。といったようなことを考えたり、周囲の奇景に見とれたりしてる間に出口に。
玉泉洞を出た後は各施設を覗いてからエイサー鑑賞。座りながら見てたけど太鼓の囃子と踊りに思わず上半身がリズムに乗ってしまう楽しさだったけど、何より普通に立ってるだけで参ってしまいそうな暑さの中、伝統衣装を身にまといつつ太鼓を軽々と操って踊りきる体力に感銘を受けた。プロだね。

ゆいレール

バスセンターに戻ってツアー終了。
バスセンター

飛行機の時間まで余裕があったので、とりあえずゆいレールを乗り潰してみることにした。
ゆいレール

視界が開ける場所まで出ると、流石の景色。
ゆいレールの車窓から

首里城に着いたものの、特に時間を潰せそうな場所も見当たらなかったのでUターン。そういえば沖縄的なものを食べてないじゃないかと昨晩行った牧志へ。昨日は見かけなかった豚さんがいた。
ポークヘッド

2階食堂で豆腐ようとミミガーのあえ物をさくっと平らげて再びゆいレールへ。1日乗車券が大活躍してくれた。
そんなこんなで空港に着くころには日が暮れ始めていた。
黄昏の始まり

鹿児島に行った時とは違い普通に運行。今回は遅れても何ら問題無かったんだけどね。
搭乗

ふと空を見ると見たことのない色合いに。
三日月の空

碧の黄昏

正確には黄昏時の空を眺めていると一部分が翠っぽく感じる時があるけど、その領域がこんなに広い空は初めて見た。空港のガラスの色合いが特に変だったということも無いし、情報を見上げたら三日月も出てるし、思わず飛行機をキャンセルして眺めていたくなるような空だった。
後ろ髪をひかれつつ飛行機に乗ったら、今度は雲の中に雷光が見えたり、地上の打ち上げ花火が丸く見えたり、最後の最後まで色んなものを見せてくれた。何に対してかは分からないけど感謝しつつ帰京。振り返ってみれば、日食以外は見たいものが全て見られたような旅だった。そして多くの場合がそうであるように、色々と学ぶことと得る物の多い旅でもあった。だから止められないんだね。