臨時能登とキハ52ありがとう号

国鉄時代の古き良き趣き漂う気動車キハ52形。定期運用は既に先だってのダイヤ改正で終了していたものの、20〜22日にかけて『キハ52ありがとう号』が運行されるということで見納めてくることに。乗りたくもあったけど、発売数十秒で乗車券完売とか無理。GWと7,8月にも臨時で走るようだけど、こちらも似たような状況だろうなぁ。
16番

とりあえずどうやって行こうか悩んだ結果、夜行バスはスルーして臨時の急行になった能登に。
上野駅は先日までの騒乱が嘘のように静かだった。それでも集まってる人たちがいるのが凄いんだけど。臨時の運行が始まった日はもっと多かったのかな。
手書き

手書きの文字が味わい深い。元はムーンライトえちごの車両だったようで、車内には「東京から新潟に行く時はムーンライトえちごが便利です」といったような広告がそのまま掲載されていた。
その車内は当たり前だけど先日までと違って人が少なく静かなもの。自由席がなくなって全席指定になったのも大きな違いか。当然ラウンジカーもなし。
4番

前日の強風の影響が心配だったけど糸魚川駅には定刻通り4:44分到着。「大糸線の車両にトイレが無いので乗る前に済ませて下さい」といったような表示が消えていて、腹の弱い人間としては有り難いんだけどもやはりさびしい。
階段

ふとホーム階段の行き先表示を見ると、付近の駅名ではなく新潟・青森・東京というざっくりとした表示が妙にツボにはまる。ハブ駅ならではか。
払暁

深い青が夜の黒を払って暁を迎える。払暁。大糸線に来た時は悪天候ばかりなもんで、どうやら良い天気になりそうだなと胸をなでおろす。
三両連結

ホームから離れた所で出発を待つキハ52ありがとう号が見えた。色違いの3両が固まるとカラフルでかわいく見える。そのまま入線まで待つか一本待つか悩んだ結果、撮影地探しのため始発で南小谷へ。
南小谷01

南小谷に着くと前日降ったらしい雪が盛大に積もって銀世界に。撮影地までの道路を歩いていると電線や木々からパラパラと雪が落ちてきて、朝日に輝くそれが思わずため息をもらしてしまうような綺麗さだった。写真が無いのは察して欲しい><
120

駅から2,30分歩いて撮影地へ。キハ120も悪くないけど、景観にあう塗装を施してほしいなどと言う身勝手な考えが沸々と。実際結構値が張るものなんだろうか。
目当ての列車通過まで3時間ほどあったので、ただそこで待つのは勿体ないと周囲をうろうろ。すると車道から10mほど下った線路脇に人が見えたので行ってみることに。杉が林立する崖めいた場所を降りて行くのは中々に骨がおれた。雪が積もって無かったら逆に降りる気になれなかったかも。
52-01

52-2

やがてやってきたありがとう号。やはり絵になりますな。
折り返しのもう一本は糸魚川で待ち構えてじっくり観察。というのが当初考えていた予定だったけど、やはり撮りたいという方に傾いてそのまま待つことに。段々と人が増えてきて、軽く4,50人はいただろうか。集まった車のナンバーも新潟や松本から八王子やら湘南やら香川やら多種多様だった。中には駐車位置をめぐって警備員の言うことを素直に聞かない困ったちゃんもいたけどごく少数だった。と思いたい。
52-3


最後まで色々と欲張ってしまう悪い癖が出て思い通りとはいかなかったけど、最低限納得のいく結果は得られたかな、と。山道をトコトコ下る所からストレートラインを颯爽と走る所までしっかりと見られたのが収穫か。前日に雪が降って当日は晴れというのもついていた。
南小谷から直帰するか迷ったけど、もしかしたらと糸魚川へ。戻る道すがら山肌に緑が見えて、雪が降りつつも着実に春は近付いてるんだなぁと感じる。
空

糸魚川に戻るとありがとう号は既に回送された後でレンガ倉庫も空っぽ。このレンガ倉庫も北陸新幹線の工事で取り壊されるという話だから何ともさびしい。
@筒石

直江津までは各駅停車でのんびりと。途中でトンネル駅の筒石駅を通過。ちょっと降りたかったけどロスが大き過ぎるのでスルー。
はくたか・北越

直江津で降りると、ちょうど向かいのホームにやってきた特急北越の撮影大会に。そしてはくたかで越後湯沢まで特急ワープ。自由車は満席でデッキに立っていたらトンネルを通過するたびに風圧で耳がおかしくなりそうだった。立ちながらボーっとしてたのかトンネル駅の美佐島駅通過は気づかなかった。
@土合(上り)

越後湯沢から再び各駅停車に乗り換えて移動。トンネル駅で知られた土合駅も上りは地上。昨夏行った時は無かった柵がついてるけど何かあったんだろうか…と思ってさくっと調べてみると*1、駅全体で工事が進んでるらしい。
湘南カラー

高崎駅には最近見る機会の減った湘南カラーの115系が。幼稚園の頃はにんじん電車と呼んでたらしい。片方が緑ならともかく上下とも緑でにんじんってどうなんだろう。
この辺りまで来るともう旅も終わりという感じが強くなるけど、一本で繋がってるとはいっても上野までの距離は相当に遠い。通勤通学圏としてる人達のタフさに舌を巻く思いだ。
上野まで乗っていればスタートとゴールを揃えて綺麗に終われたんだろうなぁと思いつつも籠原で始発の湘南新宿ラインに乗り換え。鉄ちゃんで込み合う大糸線と対照的に、4人掛けの向き合う座席にゆったり座ることができて、普通逆だよなぁと思うと妙におかしかった。

*1:オヤジギャグじゃないですよ