曇り/普通/星を追う子ども

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公開初日なのでネタばれを出来るだけ控えつつ感想を言ってみると、自分は好きだけど、あえて他人に勧めはしないってところでしょうか。背景の美しさや音楽は信頼と実績の新海&天門クオリティなので、そこに関しては期待を裏切ることは無いだろうなと思います。とりあえず自分はあと一度は見る予定。以下ネタばれ含む感想。



以下初回視聴時の感想。
キャラの絵柄がジブリ的なのは「日本のアニメーションの伝統的な絵柄」というパンフの下りに納得が言ったんだけど、随所の小ネタが尽くジブリ(というか宮崎駿)っぽいのは少しやり過ぎだろうなぁと。
私設の軍隊が堂々と破壊活動を行ったらまずかろうとか、時代設定が70年代を意識した割には装備が近代的とか、森崎はどこで戦ってたのかとか、異世界が略奪されたのが一度ならまだしも長期に渡ってるのは何故なのかとか、ヒトラーやら時の権力者的描写は余計だろうとか、突っ込みどころは多々あります。ストーリー全体を通しても説明不足のところがあるし、大きなカタルシスが得られたとも言えません。不思議といえば、異世界の人間と当たり前のように同じ言葉で話せていることや、森崎が最後に喪失を受け入れられていたこと、夷族が夜の間に明日菜を食べなかったことなんかもそうです。類推は出来るけど、やはり情報が少ない。
なんかひとつも良い点を挙げてない気がするけど、それでも全体の印象としては悪くないというか好きな部類というのが我ながら不思議です。異世界の雰囲気にどっぷり浸かれたからかな?
あえて監督の得意なフィールドから出て新しい表現に挑んだ心意気は素晴らしいんですが、この一作で結実したとは言い難いかなと。次の作品でこの挑戦が実って今作が過渡期的な評価を受けることになるやならざるや。と、その前にもう一度見てこよっと。