奄美・沖縄の旅(3)奄美沖縄航路

というわけで、ほとんど一睡もしないまま迎えた旅の3日目。
バスの中でうつらうつらとする間に名瀬港到着。
東京ならもう空が明るいこの時期、奄美の空はこれから明けようとしていた。
明け方

添乗員さんに従って乗船待ちの行列に並ぶ。
けど最後尾だったもんで、列から外れて写真を撮ったりしてた。申し訳ない。
ツアー

船室に入ってみるとビックリ。通勤通学時の埼京線もかくやとばかりに乗客の密度が濃い。
2等船室

こりゃ酷いなぁと面喰ったものの、なんだかんだで慣れれば横になれるんだから人間って大したもんだ。
近ツーだけかと思いきや、それ以外のツアーや生活路線として利用している一般の乗客も混在してたようで、船室だけじゃなくレストランや歓談スペースまで船室として用い、大きい荷物は船室の外に積み上げる何とも豪快なスタイルだった。そんなこんなで那覇港へ向けて出港。

奄美航路

また来るぞーと思いつつ名瀬港を振り返る。
名瀬港

そして朝日。もう一日早ければなぁ…という考えがどうしても頭を過ぎる。
朝焼けを見る人たち

朝焼けを拝んだあとはさすがに疲れが出て、いったん船室に戻って休憩*1
そして船が最初の寄港地・徳之島に着いたところで目が覚めた。
せっかくだからとカメラを持ってデッキに出るとあらまあビックリ。
高湿度

霧雨でも降っているのかというような湿気。加えて船内との気温差からか、カメラのレンズが一瞬にして曇った。眼鏡も曇って前がまるで見えなかった。いったん船室に退避して雨用の装備を持ち出して再び外に。晴れ間がのぞきつつも、雨降りの雲が島を覆っていた。
徳之島出港

次いで沖永良部島に到着*2
沖永良部島港

船と風車

沖永良部を出港してからしばらくすると、那覇から北上するフェリーと交差。
山道を一人歩いてる時に他の人とすれ違うような感覚。何とも心強い。
交差

そして鹿児島最南端の与論島に到着。
エメラルドやサファイアを溶かして流し込んだような海の美しさに圧倒された。
与論島の港

飛び込みたくなる衝動を必死に抑えつつ船上から島を見物すると、やたらと大きい岩が散在してた。それだけ荒い波にもまれているということなのかな。
奇岩

与論島を出ると沖縄本島沖に。
入道雲

入道雲が成長してえらい形になってた。都市部じゃなかなか拝めない光景。だと思う。
怪獣雲

ちらほら見えるようになった建物を撮ったら、美ら海水族館だったと後になって知った。
美ら海

行く手には奇麗なアーチが印象的な本部大橋が見える。
本部大橋遠景


ほどなくして最後の寄港地・本部港に入港。その様子を見守る人がデッキに整列。
本部入港

ふと船首のほうを見ると船長さんが。いかにもといった立派な鬚を蓄えた、船長と聞いて10人中9人が想像するような期待通りの風貌だった。残り1人はファリス。
港の反対側には船がチラホラ。漁をしてる風ではなかったけど何らかの作業中といった様子。
本部港風景

本部を出発すると、いよいよ残るは那覇港。ここまで既に10時間近く経過してるはずなのに、あっという間に感じた。同時にこの船旅が終わってしまうのがもったいなく感じられた。というのも、海が凪いで穏やかだったおかげなんだろうけど。凪いでる時なら何度でも乗りたい。そんなことを考えてる間にも船は刻一刻と那覇港へ接近。港がはっきり見えるようなあたりまで来ると、飛行機のルートと一致してるの船の真上を飛行機が飛んで行ってなかなかスリリングだった。
頭上の飛行機02

こんなにハッキリ飛行機のお腹を見ることって、そう無いな。と思う。
どうやら那覇空港那覇はえらく近いらしいということを知った。
着陸寸前

到着寸前に振り返ってみると、すでに空は黄昏の入口に片足を踏み入れたような色合い。
振り返る

出発時は朝焼けだったことを考えると、それだけの時間が過ぎてるのだなぁと改めて実感。
そして船内を一通り見回ってなごりを惜しみつつ下船した。

沖縄上陸

クイーンコーラル8

無事に航海を終えてくれたクイーンコーラル8に別れを告げ、宿を求め那覇市内へ。。。向かおうにもまったく地理に疎いので、ターミナルで地図を見てから出発した。それにしても、その暑さには参った。湿気も相当なもので、徳之島で降りた時と同じようにレンズとメガネが曇った。そして植生の違いにも驚かされた。奄美大島ではそれどころじゃないこともあって、あまり気にならなかったけど、沖縄は本土の街路樹とは葉の形や幹の形が全く異なるホウオウボクやガジュマルが植わっていて、ずいぶん南まで来たんだなぁと感慨もひとしお。
まずは一度乗ってみたかった沖縄モノレールに乗車。
旭橋駅

羽田と変わらない普通のモノレールだったけど、運転士の制服が所謂かりゆしウェアというやつで車内の音楽も沖縄調。
旭橋駅から乗りこんでひと駅、県庁前駅で下車。すると空がすっかり黄昏の色に染まって、見事なマジックタイムを迎えていた。
最初の黄昏

できるだけ空が広い所を探したけど、初めての街の中じゃそうそう見つけられない。
港にとどまっとけばよかったかなぁと思ったりしつつ宿を探索。最初に入ったホテルはいかにも高そうな佇まいで実際に高かったのでスルーして、なんとなく見つけたホテルチュラ琉球さんのお世話になることに。

那覇市内散策

いったん休憩してから外に出ると、あたりはすっかり暗くなっていた。
ガジュマル

地図を見ながら適当に歩きつつ、バスターミナルに。パンフレットをぱらぱら捲ってると便利そうなバスツアーの案内があったので、幾つか頂いてから外に。
沖縄に来たからには沖縄っぽい料理が食べたいなぁと適当にあたりをつけた店に入ると、いわゆる無国籍料理というやつで、自分の鼻の利かなさにがっかりしつつもしっかり食べてから再び夜の散歩へ。港で調達した地図に載ってた樹齢100年のガジュマルを目指してみることにしたけど、意外と距離がありそうだったので再びモノレールに。
出発進行

壷川駅で下車して再び徒歩。夜だというのに暑く文字通り熱帯夜。ものの5分も歩かないうちにすぐに汗でびしょびしょになった。
そして御歳100年のガジュマルさんと対面。さすがの風格がにじみ出てる。
樹齢100年

そのままどこか広くて明かりのない場所を探して星でも撮ろうかなんて考えてたけど、さすがに疲労困憊だったので、ホテルに戻って就寝。旅の足はもっぱら鉄道なので、始発の時間を気にしなくて良いってのは結構新鮮だった。

*1:隣が空席だったので周りの人より多少スペースには恵まれていた。

*2:余談だけど、沖永良部はiPhoneだとおきのえらぶで一発変換できない。それと、港ごとにiPhoneの電波は入ったけど、洋上に出るとドコモだけ。何かあったときのこととかを考えると、遠隔地でのドコモの強さは契約を切るのを躊躇う理由になる。