北陸旅行2:能登半島の旅

明けて4日。5時ぐらいに起床。進行方向が変わっていて、すぐ後ろの車両が最後尾になっていた。流れる景色はまだ夜のそれ。
朝の線路

翌日の朝に北陸と能登が走ってるところを撮れればという確認もかねて外を見ていたのだけど、予想より日の出が遅く、それどころじゃなかった。
金沢駅到着前になると線路が高架になって街並みが見渡せる。天気は良く無かった。
金沢の朝

そして到着の朝。機関車にヘッドマークを掲げる姿はアナログの極みだけど、だからこそ良いんだろうなぁと。
到着

暫くすると別のホームに能登が到着。2週間ほど前にはあちらのホームからこちらを撮っていたのかと思うと不思議な感じが。
北陸が回送されるのを見届けて一旦駅の外へ。いつ見ても芸術的な鉄骨だ。
鉄骨

この後何をするか一切決めていなかったので、さてどうしたもんかなとしばし熟考。金沢市内から一歩も動かないのもありだなと思ったけど、せっかくフリーきっぷで来ているので行けるとこまで行ってみよう…ということで能登半島和倉温泉駅を目指し七尾線に乗って出発。
七尾線

津幡駅から北陸本線と別れて能登半島を北上。左手に海が見えるような区間もあったけど、基本的には稲が育ったら気持ちよさそうだなぁという田園風景が続く。羽咋駅に停車すると面白げな看板が目にとまったので、後で行くことを心に決めてそのまま北上。七尾駅に到着。
のと鉄道に乗り換えてさらに1駅進むと和倉温泉。ここで降りても良かったけど、せっかくなのでそのまま終点の穴水駅まで乗ることに。能登半島中部の抉れてるような湾を見ながら北に進む。
途中能登中島駅には郵便マークが付いた見たことの無い列車が。そのものずばり郵便車というらしい。
郵便車

能登鹿島駅は通称能登さくら駅。桜の時期はさぞ壮観だろうなぁという枝が歓迎してくれた。そして穴水駅到着。
穴水駅

のと鉄道の終点だけど、半島の突端まで行こうと思ったらここからさらにバスに乗り換えないといけない。行ってみるまで分からなかったけど思ったより広い半島なんですな。房総半島と同じくらいか。さすがにそこまで行くと時間がかかりすぎるので、折り返しの電車が出るまでの1時間半ほどを使って周囲を見て回ることに。と言っても何も当てがなかったので、とりあえず駅前の地図に乗っていた来迎寺へ。
駅から歩くこと10〜20分ほどで到着。駐車場の方から入ると寺の方がいて、正面入り口はあちらですよと教えてくれ、折角なのでそちらから入ることに。
来迎寺

階段を上ると境内には木々や仏像が所狭しと並んで広いような狭いような空間に。寺の方がお堂に上げてくれるというので、帰りの時間が気になりつつも折角の機会なので上がってみることに。中は外よりもひんやりとしていて…というかはっきりと寒くて、畳を歩く足がとても冷えた。入ってすぐ、襖を取り払った上方左右の壁に十二天の掛け軸が。本尊は阿弥陀如来。お寺の来歴を聴いてみると平安時代まで遡ることができる由緒正しい古刹だった。先だっての能登半島地震にも耐えたのかと思ったら、やはり相当の被害は受けたとのことで、傷を負った仏像達は一体一体京都の方へ修復に出しているそうな。表に陳列していない雑多な絵や像が並んだ棚にある幽霊画は円山応挙作とも。ただし眉唾くさいけどとはお寺の方の弁。そのほか、33年に1度御開帳されている11面観音もあるらしいけど、もう少し間隔が短くてもいいかなといったようなことも話されていた。そういうものなのかなぁと苦笑。本堂の裏には小さいながらも四季折々の風情が感じられる庭が整えられていて、秋には紅葉がとても綺麗らしい。能登半島は穴水まで行く際はぜひお勧めしたい。
礼を述べてから来迎寺を辞して再び穴水駅へ。
0番線

0番線にはかつて輪島まで線路が通じていた名残が。線路は駅からしばらく伸びた先で止まっていて何とももの寂しい景色になっている。
和倉温泉に到着すると乗り換えの待ち時間があったので暫く駅前をぶらぶら。すると長谷川等伯の像が。

上野駅で展覧会のポスターを見かけて、こんなところで立像を目にするとは。というか、この辺りの出自の人だったということを初めて知った。東京に帰ったら展覧会を見に行こうと決める。
和倉温泉から先ほど気になる看板を見かけた羽咋駅で降りて、予備知識ゼロのコスモアイル羽咋という施設へ。UFO型の外観が特徴的で否が応にも興味をそそられる。
コスモアイル羽咋

前庭にドーンと据えられしはマーキュリーレッドストーンロケット。1段目と2段目は本物らしい。2階の展示室は、ヴォストーク宇宙帰還用カプセル(宇宙から戻って来た本物!!)やアポロ司令船(一部に本物と同じ素材を使用したレプリカ!!)等々古き良き?スペースレース時代を彷彿とさせる展示品がごろごろ。旧ソ連製のモルニア1号通信衛星の造形は機能美が感じられて良かったな。これは本物のバックアップ機でつまり実機らしい。
そうした展示品がある一方で、UFO関連の展示も並べられているのが面白いというかなんというか。羽咋市に伝わる昔話にUFOらしき記述がある…という無茶ぶりからここまで大層なものを拵えてしまったんだから凄いとしか言いようが無い。ちなみに名誉館長はかの矢追純一氏だそうな。
3階のコスモシアターでは「おとめ座物語」と「宇宙望遠鏡」という2本立ての番組を平日昼間だからか貸切で鑑賞。正直土日とか人が入りそうな時には星空解説をした方がよさそうな気がするんだけどどうだろう。
宇宙に興味のある人はもちろん、無い人でも色々と楽しめると思う。おススメ。
能登半島UFOの町にある宇宙科学博物館 コスモアイル羽咋
というわけで施設を堪能しきってから外へ。駅前に戻って来た時とは反対の出口へ周ってみると…
オブジェ1

オブジェ2

ジョジョに出てきそうな擬音をそのまま立体化した謎のオブジェが。特に説明があるわけでもなく置かれているだけで、一体何を目的としているのかが分からない。気になって調べてみたらやっぱりジョジョ立ち教室に乗ってた。
ジョジョ立ち教室
次行く機会があったら石の上に立ってみよう。
そんな素敵な羽咋から特急に乗車。18きっぷなら許されない贅沢もフリーきっぷなら当たり前なんですな。ビバフリーきっぷ。金沢に到着すると息つく間もなくバスに乗って閉園1時間前の兼六園へ。市内を循環する観光バスに乗りたかったけど土日祝日しか運行してないらしい。
定番

小雨がぱらつく天気ということもあってか、観光客はまばらだった。
大樹

絡み合う根元が素晴らしい松の木。また今度じっくり眺めたい。梅のシーズンからは外れてるのかなと思いきや、ちらほら咲いていて寒々とした空気を和ませてくれた。
枝垂れ

ぐるっと回った所で閉園時間が迫ってきたので真弓坂口から退出。
21世紀美術館を横目に通り過ぎ、百万石通りをとりあえず金沢駅の方向へ。兼六園へ向かう途中にバスの中から見かけた不思議な外観の尾山神社を訪ねてみた。
尾山神社

拡大しても分かるか微妙だけど、ステンドグラス的な窓を持った正門が特徴的。くぐり抜けるとオーソドックスな正殿が構えていた。可愛らしいおみくじがあるなぁと引いてみたら恋愛成就お守り付き。小吉で可も不可も無いようなことが書かれていた。
境内もすっかり暗くなっていたので散策するわけにもいかず早々に退散。駅前まで歩いて戻るにはやや長い距離だったので、近くにバス停を見つけて待機。やって来たバスに乗って駅前まで戻った。しかしいつ見てもカッコいい外観だこと。
もてなしドーム夜

駅付近で宿を探していたらこんな安宿が。風呂トイレ共同でシングル3,300円也。
ホテル

荷物を置いて身軽になると翌朝の撮影地探しのためにすぐに出発。
津幡の犬

金沢から3駅、津幡まで行ってさすがに疲れた体を引きずりつつ駅前を3,40分ほどうろうろしてみたもののあまり芳しい結果は得られず。仕方なく金沢に戻るとホームには既に北陸・能登に備えた撮影者たちが待ち構えていた。
スポット

この日は平日だったためか、ある程度余裕を持って並べた。
目当ての2つの前には北陸と同じくブルートレイン日本海が。
日本海

これもいつ無くなってもおかしくないので乗っておきたいな。
なんて考えているとまず北陸が、そして能登が入線して並ぶ。
能登・北陸

上野では混雑緩和のためかひと足早く消えてしまった光景。昭和の頃は当たり前だったのかな。今の列車が悪いとは言わないけども、古い役者が消えて行くのは何ともさびしい話。観光立国を標榜するなら一風変わった列車というのも引き付ける要因になりえるはずなのに…と思ってみてもどうしようもないことか。
今日の目的を全て果たした後はホテルに帰還。どういう理由か、部屋に据えられていた喫茶南風に置いてありそうなゲーム筐体。
部屋

ワンコイン投じてみるもさっぱり遊び方が分からなかった。
軽く風呂を浴びた後は疲れがたまっていたのですぐに眠れた。