昇格

まずはおめでとう。そしてありがとう。
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00110421.html
昇格のニュースに触れると、とても嬉しく涙も出てしまうんだけど、同じくらい現実感がないから困る。あまりにも酷い時期が長かっただけに、前回のようにじっくりベースを積み重ねながら昇格したのではないだけに、余計にそう感じてしまうのかも。
降格してからというもの、迷走し続けるクラブの運営やサポーター(と言いたくないけど便宜的にそう分類される人たち)の暴走が酷すぎて、かなり冷めた目で見ていた部分があったのは事実だけど、それでもやはり一試合ごとに一喜一憂してしまうような存在だった。去年はいつ消えてもおかしくないから関東圏の試合はできるだけ見に行こうと心がけていたな。今年は開幕を迎えられただけでもラッキーだと思っていた。それがふたを開けてみればこの結果。源気、末吉、中町の新戦力トリオが期待をはるかに超えるパフォーマンスを発揮してくれた上に大きなけがをしなかったことが大きかった。終盤は劇的な試合続きで、スタメンで出れなくても途中投入で奮起してくれたジャンボや泰らFW陣の活躍が光ったな。そしてそれにこたえる守備陣の頑張りも去年までの福岡には見られないものだった。選手や彼らを支えるスタッフにはいくら感謝してもしきれない。
奇しくも11月23日は5年前に福岡が昇格を決めたのと同じ日。ただ、その日はスコアレスドローで決まったこともあってか、サポーター集団(と言いたくないけど便宜的にそう分類される人たち)が挨拶にきた監督や選手に罵声を浴びせて背を向けるという馬鹿な真似をしでかした。自分たちを何様かと勘違いしてのぼせあがった集団ほど度し難いものはない。それがピークに達したのが小林GMを中傷するような弾幕だったりサガン鳥栖戦でのピッチ乱入だったりか。全てが好転して見えるクラブの中で、その辺りがどこまで改善されたのか不安が残るな。相変わらず福岡のレプリカユニは着ずに自分たちのシャツを着続けているから本質は変わってないんだろうなぁ。来年は思い通りにいかない試合が増えることは簡単に予想できるから、できれば簡単に切れてしまうような人はレベスタに行ってほしくないなと思ってしまう。。。って本当ならこんなめでたい日にこんなこと書きたくないんだけど、それなりに見続けてきただけに思うところがあるもんだな。昔の日記見ると別人のように熱いというか痛いこと書いてて笑ってしまうw
と、ここで強引に気分を変えて今年のベストゴールを挙げたい。ジェフ千葉戦@レベスタから田中佑昌が決めたこの1点。

CKのこぼれ球が佑昌の足元に。コースなんてどこにも空いてないけど、とにかく気合いだけで振りぬいたシュートはDFの足に2度跳ねてゴールへ。サッカーにとどまらず、何もないように見える状況でも何かことを起こせばおのずと何かが動くという人生の真理みたいなものさえ含まれてる1点じゃなかろうか。ってかなりアバウトな真理だな。それはともかく、このゴールで千葉に並び、続く城後の雷獣シュートで逆転してからは1度も千葉に追いつかれることなく逃げ切った。まさに、その時歴史が動いた
そしてもう一つ。開幕前の大塚唯史新社長挨拶。

これまでのアビスパ福岡は、福岡という大都市にあるがゆえ、大手の企業様だけに頼っていた経営かもしれません。今後はその企業様以外にも多くの方にご支援いただくようにとにかく僕らは全力で頑張りますのでご支援の方をよろしくお願いします。
選手はピッチを走ります。僕らは街を走ります。アビスパは変わります。そしていつの日か、福岡の皆様に“僕らの街にはアビスパがある”と胸を張って言っていただけるようなクラブチームを作りたいと思います。
最後に一つだけ皆様にお願いがあります。この素晴らしいレベルファイブスタジアムに数多く足を運んでいただいて、チームに応援をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

http://www.youtube.com/watch?v=BC7xuuW2GS0

上っ面の言葉が滑るだけだった前社長とは比べることすら失礼な気持ちの込められた言葉。まあ結果が全てと言ってしまえばそうだけど、仏を作って魂を入れたというか、見事にアビスパを生まれ変わらせてくれた大塚社長にはいくら感謝してもしきれない。組織が個によって悪い方向に変わるのはいくらでも見てきたけど、プラスの方向にここまで変わる例は稀有なんじゃなかろうか。
それからもうひとつ、忘れちゃいけないのが久藤さんのこと。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20101123024.html
体力的に衰えはあってもサブ的な活躍は期待できただけにこのタイミングでの発表は驚きとともに悲しみを禁じえない。J2に落ちて苦しい時期を支え続けてくれたことに対して、社長同様に感謝してもしきれない思いがある。特に今シーズンも続けるかどうかについては葛藤があったような文章を読んだような記憶が。福岡での5シーズン、本当にありがとうございました。選手としての17シーズン、お疲れ様でした。