ノーベル平和賞にアハティサーリ氏
ノルウェーのノーベル賞委員会は10日、08年のノーベル平和賞を、世界各地で地域紛争の和解に向けた仲介役を果たしてきたマルティ・アハティサーリ元フィンランド大統領(71)に授与すると発表した。
http://www.asahi.com/international/update/1010/TKY200810100244.html
ノーベル平和賞と聞いても何か微妙な印象を受けてしまったりするんだけど、アハティサーリという名前にはアチェとかコソボに関する報道で目にした覚えがあったので、ちょっとアチェ紛争に関してエントリ。
同氏は、77年、国連代表として南アフリカに占領されていたナミビアで紛争調停を初経験した。91年に始まった旧ユーゴスラビアの解体過程では地域の安定に奔走。インドネシア・ナングロアチェ州の独立紛争の仲介では、スマトラ沖大地震・津波(04年末)で同州が深刻な被害を受けたのを転機ととらえ、05年、政府と独立派「自由アチェ運動(GAM)」の包括的和平合意にこぎ着けた。
と、なってるんだけど、アチェ紛争解決に関しては彼に優るとも劣らない働きを果たした人がいた*1。
インドネシアの地域紛争の仲介を、なぜ、はるか遠く離れた北欧の小国フィンランドの前大統領が取り組んだのか。第一部に描かれた経緯は実に興味深い。一九八〇年代、スラウェシ島の言語研究をきっかけにインドネシアへの興味を強めたフィンランド人ユハ・クリステンセンがその後、和平仲介の支援をしたいと思い立ち、手弁当でスウェーデンに飛んでは亡命中のGAM幹部との接触を重ね、一方で、スラウェシ人脈をたどってインドネシア政府高官と知り合い、つてを頼ってこの高官を自国の前大統領に引き合わせる。一市民の情熱が人を動かし、和平交渉をスタートさせたのだ。
http://www.hanmoto.com/bd/ISBN978-4-7503-2674-0.html
このユハ・クリステンセンという人に関しては、去年の元旦の朝日新聞で記事を目にして、大変な感銘を受けた。
ユハ・クリステンセンさん - amesukeの日記
世界の流れだとか歴史のうねりってやつは、*2結局個人の想いが作り出すものなんだよなということを実感できる。
とりあえず読んでおきたい本
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