曇り一時晴れ一時雨/普通/宙博

仮にも台風一過というのが信じがたいどんよりとした一日。今月を象徴するような空模様ではあった。と言いつつ四半日くらい室内にいたから途中晴れてたのかもしれんのだけど。なぜ室内かと言えば引きこもってたとか働いてたとかではなく宙博に行ってきたから。
10時過ぎに竹橋に着いて会場に向かうとチケットの列がおよそ2,30分待ちくらいの長さに並んでいた。チケットを既に買っていた自分はその列を余裕で眺めつつ会場に向かうと今度は入場待ちの列が。まあ多少並ばざるをえないか…と列を辿るとどこまでも続いてついに武道館の側に。係りの方に聞くと、2,3時間待ちとのことだったので回れ右して並ばなくてもいいサイエンスホールでの講演を拝聴することにした。というわけで以下講演の話。

益川俊英先生×杉山直先生

途中から入場。聴き始めたのは益川先生が子どもの頃はあまり勉強していなかったという話だった。曰く、「父親がどこから仕入れたのか日食が起きる仕組みを解説してくれた」「授業中にノートを取らなかったのに他所から仕入れた知識で先生の間違いを指摘した」「保護者面談で母親が『うちの子が家で勉強しないので宿題を出して下さい』と頼んだら先生が『宿題を出しているがやってこないのはお宅のお子さんです』と言われてその夜はたっぷり絞られた」とか面白い話がたくさん聴けた。
子どもたちの質問にも丁寧に答えていて、学校の先生によくしかられてしまうという子どもに答えている最中に出てきた、子どもが誰かにレッテルを貼られると本当にそこが自分の限界だと思ってしまうといったような話が印象的だった。最近とみに思うんだけど、ほんと教育って重要よね。個人をひいては国をさらには世界を形作っていくものだから。ここが割と先生や家族やその他もろもろの環境次第という運の要素が大きくなってしまってるのはどうしたもんだろうと。

村山斉先生

宇宙の始まりから終わりまで現在考えられているモデルについて、駆け足ながらも分かりやすく説明してくれた。正直ビッグクランチで頭が停まってたもんだから、ダークエネルギーやらビッグリップやらと言った話が新鮮だったな。
http://www.kek.jp/newskek/2005/julaug/darkenergy.html
ダークエネルギーもいいけど、宇宙全体で物理法則が一様じゃないとかだと面白いんだけどな。
宇宙の終焉 - Wikipedia
先生の話によればビッグリップが起きるのは1000億年後だから50億年後に太陽に飲み込まれる地球には関係ないんだけどね。人類がこの先生き残るには50億年以内に地球を脱出して残りの950億年以内に3次元を脱出しないといけないのか。頑張れ後輩。

川口淳一郎先生

「そんなに新しい話が出てくるわけじゃないですよ」と前置きしてからスタート。
JAXA|何としても地球に帰らせたかった「はやぶさ」
7月末に相模原市立博物館で聴いた話とほぼ同じだったけど、やっぱ会場外のモニターと会場内じゃ全然違うね。カプセルの「へその緒」の話や再突入の写真をスライド表示して、2回の大きな爆発が燃料タンクで、ここが太陽電池パネルで…と目の前で先生が話されているのを聴くと目頭が熱くなってくるってもんですよ。
ちなみについ先週、國中先生吉川先生西山先生と中和神社にお礼参り*1してきたそう。一度訪ねてみたいけど公共交通機関じゃちと厳しいのよね。

吉川真先生

はやぶさ2のミッション内容やその意義についての講演。
http://b612.jspec.jaxa.jp/mission/hayabusa2.html
概算要求に30億円計上されているとはいえ、元気な日本復活特別枠の予算がつかなかったらどうなるんだろう。計画通り2014年または2015年に飛べるかどうか、未だに綱渡りの状況なんだなぁと。そもそもは、はやぶさイトカワタッチダウンした際に狙った通りのサンプル採取が出来ていなかったことが分かって検討された計画らしい。2006年にすんなりスタートしていたら、来月には飛んでいたはずが。。。
「はやぶさ2」実現に向けて: 松浦晋也のL/D
松浦さんのブログ読むと今年のことかと思っちゃうけどこれは2006年のもの。当時とほとんど状況が変わってないのが切ない。2014〜5年に飛んだとしても帰ってくるのは2020年。さらに仮称はやぶさMk2が飛ぶのも早くて2020年。それが帰ってくるのは…と考えるといかにも歩みが遅いなと思ってしまう。ひとえに予算不足のせいなんだけど。民主党政権がどかーんとぶち上げてれば支持率扶養のきっかけになりえただろうに。今さらじたばたしてもと達観してるのかな。

*1:よく使われる悪い意味じゃないですよ念の為