曇り後晴れ/普通/最接近

早朝こそ雲が多く浮かんでいたものの、昼以降はすっきりとした青空。ようやく秋ちゃんが本気出したのか、冬将軍の指先が列島を撫でているのか。空気の質はあんまり秋という雰囲気ではないというか、あまりに気温が乱高下したもんだから秋の質感ってのが思いだしにくくなってる気がする。
で、昨日触れたディープインパクト改めエポキシのハートレー彗星再接近は無事成功した模様。NASAジェット推進研究所のUstreamをボーっと眺めていたら、最接近してから交信が復活するまでのじりじりするような緊張感やら交信が復活した後の拍手喝さいやらグッとくるものがあった。
エポキシが彗星の後ろに噴き出ているダストをくぐるのは結構リスキーだったけど機器に致命的な損傷は発生しなかった。といったようなことを言ってたね。太陽系の起源解明に繋がるといったようなことも言ってたけど、小惑星と彗星だったらどっちが証拠探しに適してるんだろう。なんとなく小惑星の方が安定してるイメージがあるけどどちらが上下というものでもなく両方調べればより理解が深まるってことでFAかな。
で、そのエポキシが撮影した写真がこれ。彗星の核をこんなにはっきり見るのって新鮮だ。何となく、「彗星の核」という言葉にはもっと角が取れて丸みのあるイメージがあって、ともすれば小惑星のようにも見えるけど、噴き出している光は紛れもなく彗星であることを感じさせてくれる。5年10か月ほど飛び続けた探査機がたったの700km先から撮影したのだと思うとじんわりと感じ入るものがありますな。
そして惑星協会の方が早速記事をアップ。
Close approach images of Hartley 2! | The Planetary Society
ボレリーというのを検索してみたらしっかり載ってました。こちらも延長ミッションだったのね。

アメリカ航空宇宙局 (NASA) が1998年に打ち上げたディープ・スペース1号 (DS1) は、当初の任務であった各種新技術の実地試験や小惑星 (9969) ブライユの観測を終了したのち、延長任務としてボレリー彗星を観測することになった。
2001年9月22日、DS1は、ボレリー彗星から 2,171 km以内の距離を速度16.5 km/sでフライバイした。彗星探査を想定した設計ではないため、ダストとの衝突などが心配されたが、無事、核の撮影などに成功した。彗星核の撮影は、ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) のジオットのハレー彗星探査以来の、史上2回目である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%BD%97%E6%98%9F

それに加えてイトカワも引き合いに出してくれているのがこそばゆく感じてしまいますな。って自分が言う筋合いのものではないってことは重々承知ですよ為念。
こちらには接近時の写真がズラリと。
NASA - Epoxi Images
hartley2
改めてじっと眺めると、遠い星雲やらこの地球やらのような分かりやすい美しさはないけど、それに匹敵するくらい見ていて引き込まれる力を感じるな。そして、確かに漠然と小惑星というよりズバリイトカワを彷彿とさせる形にも見える。そういえば彗星と小惑星の違いってどこにあるんだろう…と子ども電話相談室風の疑問が。実のところ、はっきりとした定義はまだ無いらしい。
2006年のISASメールマガジンによると、

 今回定義されようとしているのは惑星ですが、実は小惑星の定義もあいまいです。小惑星は一般的には、「恒星の周りを回っている、見た目が彗星ではない、恒星や惑星や衛星でもない天体」ということになると思いますが、この定義では、小惑星と思っていたものが彗星である場合や、その逆もあり得ます。実際、ウィルソン・ハリントンという小惑星は、当初彗星として発見され、その後小惑星として再発見されています。逆に小惑星キロンは、発見後に、彗星としての活動が認められ、彗星としても分類されています。
 つまり、太陽系の天体の中には、彗星と小惑星の両方に分類されている天体があるということです。また、今回の惑星の定義によって、現在小惑星とされているものの中にも、今後大きさや形がはっきりしてきて、惑星と定義されるものもあるかもしれません。

http://www.isas.ac.jp/j/mailmaga/backnumber/2006/back102.shtml

とのこと。
こちらにも詳しい考察が。
豆知識
2009年にはこんな説も。
小惑星帯の岩塊の多く、もとは彗星 仏研究チーム 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
しかし、遠く離れた宇宙空間から画像が送られてきてあっという間にアップされて地球の裏側にいる自分がそれを見ている。何と言うか、ほんと凄い時代になったもんだねぇとしみじみ感じ入る夜。