「イラン 大統領になりたかった男」

何か短編映画のような趣がある。と思ってたら、実際にドキュメンタリー映画として上映されてたのか。
大統領ミール・ガンバール (ドキュメンタリー・ドリーム・ショー 山形in東京2006)
その時のタイトルは「大統領ミール・ガンバール」。なぜタイトル変えてるのはどうして。
それはともかく、映画は、大統領になって貧困層の生活を改善してあげようと選挙活動に励むガンバール老*1の姿を追う。供託金とかきっちり払えてるんだろうかと思うけど、イランの大統領選挙のシステムは分からんや。地道に市会議員とか県会議員とか狙えばいいのにと思うんだけど、大統領選があるからかな。
家族あげて応援してるのかと思ったら、意外とと言ったら失礼だけど、みんな冷静でまあ頑張ってねって姿勢。それでも、家族の支援がなかろうと、ただ1人の支援者と共に、淡々と支持を求めて村々を周る姿には正直ちょっと胸を打たれる。その支援者というのが手足に障害のある人なんだけど、ガンバール老は自分が当選した暁には彼に保健相を任せるという。障害者なら病院に通う人が何を求めてるのか、何をすればいいのか分かるってわけ。何と言う純真さ。何と言う素朴さ。
終始砂埃に覆われたような農村と殺風景な室内の映像だけが背景にあるような映画なんだけど、妙に爽やかな後味があるのは彼の人柄のおかげかな。何度でも言うけど、こういうのを地上波でやれと。

*1:その姿は又吉イエスを髣髴とさせなくもないけど、全然違う