ありがとう201

今日もこのところの天気と同じく予報を裏切らずに曇りっ放し。先日見かけた30年だかのデータを集めた統計によると中旬は晴れが続くはずだったと記憶しているけど、まあ天気に恨み言を言っても仕方ないやね。仕事が終わってまず、杉並の陸橋からスカイツリーと一緒に狙おうかなと思っていたけど、天気が好転する兆し無かったので撤退。それでも、なるべく視界の開けた場所を今まで訪れた範囲から検索。阿佐ヶ谷から荻窪方面を向いて撮影した。

と言いつつ201系クローズアップ。
車内に乗り込んでみると、カメラを持った一見してそれと分かる鉄オタがいつになく多い。いや自分もその一人なんだけどね。この時点ではそろそろ終わりも近いしなぁと思いつつ新宿駅で下車。高尾方面の端っこで狙おうかなと待っていると段々人が増えてきたので諦めて荻窪に移動。ここの自殺防止用ミラーも中央線を象徴する光景なので一枚押さえておきたかった。
そして東京から折り返してきた201系に乗りこみ国立で下車。前に書いたことがあったかもしれないけど、昔学生だった頃、国立に住んでいたことがあって、その時は学校でも遊びでもどこに行くにもまずこの201系が自分の足だった。毎日乗らなかった日は無いと言っても過言じゃない。その頃は今と違って駅舎も味わい深い木造三角屋根で、すぐ側に大きな桜の木があって。随分変わってしまったなぁ…と思っていたけど、確か当時は北口を出てすぐ外にあったはずのパン屋が駅の構内に移動していて、この駅の中で変わらないものを見つけて嬉しくなった。日本で一番美味いクルミパンはここのリトルマーメイドのだと思う。少なくとも当時の自分にとってはそうだった。上りホームに上がってみると、まだ工事が終わりきってないのか往時の面影をしのばせてくれた。工事中の白い壁が取り払われて記憶の中の駅の姿がよみがえる。最後に東京へ向かう201系に乗り込むのが国立駅からというのも何かの縁なのかもしれない。

他の人にとってはどうということのない一枚だろうけど、自分にとってはとても大切な一枚が撮れた。
東京に向かう車内は比較的すいていたので、カメラを構える余裕があって、最後に一つ撮ろうと思っていた写真を試せた。沿線のビル(もしかしたら広告の看板かも)の写り込み。

東京駅に着いてみると、ホーム先端はカメラの砲列がズラリ。東京から豊田に向かう車内は帰宅ラッシュとぶつかったこともあってか、車内の混雑が激しかった。最近じゃラッシュにぶつからない生活を送ってるから、それすらも懐かしかったな。まあピーク時は懐かしいどころじゃなかったけどw その車内で新宿または中野を出た辺りだったか、「今日は最後の運転なので大変込み合っております」といういうアナウンスが聞こえてハッとなった。空耳を疑いながらも、いつになく多い沿線の人々の数と合わせて考えると今日が最後と考えた方が自然なのかもしれない。そう思った。心の中ではすでに別れのあいさつを済ませていたのか、それともまだ整理がついてないのか、特段焦って前の方の車両に移動しようとか、豊田に先回りして待ち構えようといった考えを思いついても実行することなく極々落ち着いていた。
国分寺駅ではその通勤快速の大月行きに抜かれて、これも学生の頃を思い出して懐かしかったな。何気なく新宿から乗った快速が国分寺で抜かれたりすると本当に腹立たしかったんだよね。立川でも抜けるんだから少しぐらい待ってくれよとか。この感覚は西国分寺国立に在住経験のある人なら分かってくれると思う。
終点の豊田駅到着直前になると「201系をご利用いただき誠にありがとうございました」とのアナウンスが。ここに至って今日が最後なのだと確信。車内に空席がみられたので、そういえば、と以前から何度か試して失敗していたことが最後に出来た。下手くそな字だけど、万感の思いを込めてみた。